2003年9月26日(金)「しんぶん赤旗」
日本経団連は二十五日、政治献金への関与に関連し、各政党の政策を評価する基準となる「優先政策」の十項目をまとめ、発表しました。消費税率の引き上げの検討を迫る社会保障「改革」をかかげる一方、法人課税の税率引き下げを求めています。国民には負担を押し付け、大企業向けには減税を要求するという大企業本位の政策の実現を迫るものです。日本経団連は、近く予想される総選挙での各政党の政策に反映させたい意向です。
優先事項ではそのほか、株式会社の医療・福祉、教育、農業分野への参入などの規制緩和推進や、労働市場・労働基準の規制を緩和し、人材派遣を拡充することなどを提起しています。
日本経団連の前身である経団連は、自民党にたいして業界や企業ごとに献金額を割り当てるあっせんをおこなっていました。ところがリクルート事件や佐川急便事件など一連の「政治とカネ」の問題が世論の批判をあび、一九九三年にあっせんを中止していました。
今回、日本経団連がやろうとしているのは、政党評価の指針を示して、企業に献金を呼びかける方式です。「優先政策」は「政策をカネで買う」事実上の企業献金あっせん再開の指針になるもの。献金は、与野党を問わず、暮らしと経済を破壊する「構造改革」推進勢力への資金源になります。
法人課税の税率引き下げ。企業の公的負担(租税負担と社会保障負担)の抑制
消費税率の引き上げ検討
医療・福祉、教育、農業分野への株式会社の自由な参入
先端技術開発。産官学の連携
省エネルギーなど産業界の自主的取り組みを尊重した 政策の推進
教育現場に競争原理と評価制度を導入
労働市場・労働基準の規制を改革し、人材派遣の拡充や裁量の幅をもった労働形態の促進
大都市圏の交通・物流など都市基盤の整備
国庫補助負担金、地方交付税の見直し
二国間の連携。農業分野の構造改革