2003年9月25日(木)「しんぶん赤旗」
【メキシコ市23日菅原啓】中米パナマで二十三日、年金や公的医療制度を支える社会保障基金(CSS)の民営化に反対する労働者の全国ストがおこなわれ、首都パナマ市や同国第二の都市コロンなど全国で数万人がデモ行進しました。
今回の二十四時間ストは、八つの労働組合センターが結集する全国組織、労働者評議会(CONATO)が呼びかけたもの。同国では社会保障基金を民間金融機関に委ねる民営化が議論されてきました。来年五月の大統領選挙に出馬を予定している与党政治家が社会保障基金の財源を不正に流用して選挙運動に活用しているとの疑惑もとりざたされています。
今月はじめ、ホバネ同基金理事長が「管理能力の欠如」を理由に解任されました。労働組合側は、これを民営化促進の第一歩だととらえ、同理事長の復帰、基金の自主性の尊重、民営化阻止を要求しています。
ストには、公立学校教員約三十万人を擁する教員組合、一万五千人を結集する建設労組など主要な労組が参加。公立学校での授業がほとんど中止され、パナマ市ではビル建設現場の作業がストップしました。
各地のデモでは、警察部隊の弾圧で多数の市民や学生が逮捕されました。これを受けて、労組側は態度を硬化させ、あらためて無期限ストにきりかえることも検討していると伝えられています。