2003年9月23日(火)「しんぶん赤旗」
(敬称略、名前のあとのカッコ内は自民党所属派閥、党名)
日本の植民地支配の一環の創氏改名について「(朝鮮人が)名字をくれといった」との暴言を批判されても撤回せず、教育基本法「改正」が持論のタカ派。贈与税の大幅減税を提唱、消費税増税論者でもあります。
選挙区支部のほかに地元の職域支部で、麻生セメントなどグループ企業を含む企業・団体献金を六千七百四十四万円集めました。KSD問題で辞任した額賀福志郎氏の後に経済財政担当相を三カ月務めたほか、経企庁長官を経験。
衆院福岡八区、当選七回、六十三歳。
初入閣。旧国鉄出身。参院外務、決算委員長などを歴任しました。
KSD事件で村上正邦元参院議員が失脚したあと、上杉光弘前会長の後を受けて参院憲法調査会長に就任しました。
参院憲法調査会では前国会から平和主義・安全保障問題にテーマを移し、改憲論噴出の政党間自由討議を主導。自らも「憲法前文はあまりに空想的。九条については、はっきり自衛の軍隊はもっていいんだと明確にすべきだ」と発言しています。
参院比例、当選三回、七十歳。
〇二年九月の改造につづき留任。米国によるイラク戦争に対し、戦争反対と査察の継続・強化を求めた仏独ロの声明について「イラクを利する」(二月)と主張し、反戦の動きを敵視。国際法違反の先制攻撃の戦争であった同戦争を一貫して支持してきました。
国連決議にもとづく多国籍軍への自衛隊参加について「我が国の憲法がすべて禁じているとは思われません」と、さらなる自衛隊派兵の拡大に積極的な考えを示しています。(『論座』三月号)
通産審議官、駐米公使などからサントリー常務取締役を経て、環境庁長官、環境相を歴任。六十二歳。
国家公安委員長から横すべり。郵政政務次官、防衛政務次官、大蔵政務次官、科学技術庁長官、金融再生委員長・国務大臣などを歴任しました。
不良債権早期最終処理方針をテコに強引に産業再編をすすめ、一部大企業の競争力強化をはかる先頭に。
今年八月十五日には「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーらとともに靖国神社に集団参拝し「国務大臣」と記帳し、「公人としての思いもある」と発言しました。〇〇年十一月の“加藤の乱”に参加。
衆院京都五区、当選七回、五十八歳。
森内閣と小泉内閣で文部科学副大臣を務め、今回初入閣。党教育改革実施本部の本部長代理や党教育基本法特命検討委員会の事務局長を歴任した、教育基本法見直し路線の中心人物です。
自らのホームページで「最近の各種世論調査では憲法改正への賛成派が70%を超える。…教育基本法改正論が中央教育審議会などで圧倒的に多いのは当然の流れなのである。それを無視あるいは軽視して行動を起こそうとしない国会議員は、『不作為』の責めを負うべき」と主張。四月の衆院文科委員会では「(教育勅語には)真理がある」と発言しました。
衆院山口三区、当選四回、六十歳。
二〇〇〇年十二月に発足した第二次森改造内閣以来、厚生労働相として国民負担増路線を推進。医療費負担増、年金額の削減、介護保険料値上げ、雇用保険改悪など、国民生活のあらゆる面で“痛み”押しつけの先頭に立ってきました。
サラリーマン本人への医療費三割負担導入などの医療改悪(〇二年)を「鉄かぶともかぶって、雨あられが降っても突進していくという覚悟」で強行。今年四月からは物価スライドでお年寄りの年金額を初めて削減し、不安の声を「ご辛抱いただきたい」と切り捨てました。〇四年の「年金改革」にむけては、保険料負担増といっそうの給付削減を内容とする「坂口試案」を発表しました。
衆院比例東海、当選八回、六十九歳。
大島理森前農水相が秘書の献金受け取り疑惑などで辞任したのに伴い、四月から農水相を務め、今回留任。
もともとは、運輸政務次官、衆院運輸委員長を歴任し、橋本内閣で運輸相に就任したほか、第二東名自動車道建設促進議連や自動車整備議連などに名を連ねる運輸族。農政には明るくなく、国会での答弁も官僚頼みの場面が目立ちました。
八月十五日に靖国神社を参拝した四閣僚の一人です。
KSD(中小企業経営者福祉事業団)が自民党工作の手段にした議連にも加盟していました。
衆院神奈川十六区、当選七回、六十七歳。
改憲論の若手急先ぽうの一人。衆院憲法調査会の札幌地方公聴会(〇二年六月)で、改憲論批判が噴出したのに対し「北海道の人間として恥ずかしい」と市民を侮辱する発言も。
自衛隊イラク派兵をめぐっては「イラクの大量破壊兵器の証拠があるかないかは重箱の隅をつつくささいな問題」などとのべました。
農水政務次官、農水相、党総務会長代理など歴任。“拉致議連”会長、歴史教科書問題を考える超党派の会会長。
衆院北海道十一区、当選六回、五十歳。
行革担当相から横すべり。ムダな道路建設はやめるという国民の願いに反して、現在計画中の高速道はすべて「造る」と表明してきました。行改担当相としてかかわった道路公団民営化推進委員会の意見書(昨年十二月)は、採算割れ必至の赤字路線についても、国や自治体の税金で造る方針を出しました。
不動産業界の政治団体(全国不動産政治連盟)から五百四十万円(一九九九年から三年間)の献金をもらっています。
日の丸を胸につけた父の石原慎太郎・東京都知事を見て政治家志望に。
衆院東京八区、当選四回、四十六歳。
初入閣。テレビキャスターなどを経て日本新党で参院初当選。新進党、自由党、保守党を経て、自民党に入党しました。“拉致議連”副会長。
一貫して憲法改悪、集団的自衛権行使の容認、有事法制の整備、歴史教科書の改悪などを主張している、若手改憲タカ派の一人です。
八月十五日の右翼・改憲勢力の集会では「自衛隊を正当に位置付ける新憲法をつくり、教育基本法改定を急ぐべきだ」と主張しました。
衆院兵庫六区、当選参一回、衆三回、五十一歳。
森内閣から官房長官として横すべりして以来、小泉内閣を一貫して支えてきました。有事法制やイラク派兵法、テロ特措法など、海外派兵体制づくりを担当閣僚として強力に推進。日本政府が国是としてきた「非核三原則」を否定するタカ派発言で批判を浴びました。
官邸機密費の私的流用問題では、担当者でありながら真相解明に背を向け続けました。集団レイプ事件に関して、「女性にもいかにも『してくれ』っていうの、いるじゃない」などと発言したとして、超党派の女性議員から抗議を受けました。
福田赳夫元首相の長男。衆院群馬四区、当選四回、六十七歳。
初入閣。二〇〇一年三月に導入された「サッカーくじ」では、法案提出者の一人として推進の先頭に立ち、父母、国民の反対の声を「PTAがどれだけ法案の中身を知って反対しているのか、私には理解できない」と敵視しました。
中小企業経営者の共済掛け金を、自民党が党費立て替えなどで吸い上げたKSD事件では、参院選直前の九八年六月に「KSDマネー」を受け取っています。
八六年に参院東京選挙区で初当選。環境政務次官、参院文教委員長などを務めました。
参院比例、当選三回、六十七歳。
留任。米国のアジアでの先制攻撃に自衛隊を参加させ、自治体や国民を動員する有事法制や、自衛隊の地上部隊を初めて戦地に派兵するイラク特措法など、地球規模の海外派兵国家づくりの中心を担いました。
防衛庁長官就任前は国会審議のなかで徴兵制を主張したように、超タカ派国防族として知られています。就任後は言動を控えていますが、歴代防衛庁長官で初めて、自衛隊の敵基地攻撃能力の保有について「検討に値する」と表明するなど、その本質が見え隠れしています。
衆院鳥取一区、当選五回、四十六歳。
外務副大臣を務め、首相特使としてイラクを訪問。米国が求めた国連安保理での対イラク武力行使容認決議の採決にむけて、非常任理事国に協力を要求するなど、米国のイラク攻撃を後押ししました。
イラク攻撃開始後も、「米国は、民間被害を考慮して作戦を展開している」と米国をかばう発言をしました。
鈴木宗男衆院議員の政治団体から二百万円の“ムネオマネー”を受け取り、のちに返金しています。
丸紅株式会社、読売新聞記者、マッキンゼー社などをへて九三年に衆院初当選。
衆院栃木五区、当選三回、四十七歳。
留任。中小企業つぶしの不良債権最終処理を推し進めるなど、首相とペアで「小泉大不況」をつくった張本人。りそな銀行破たんでは二兆円の公的資金を注入しました。
閣僚懇談会で、ETF(株価指数に連動する投資信託)の積極的な購入を閣僚に要請。記者会見で「絶対もうかる」と発言するなど、野党から問責決議案をつきつけられました。
「消費税は最低でも14%」(『竹中教授のみんなの経済学』)が持論です。所得税の課税最低限の引き下げや法人税率引き下げを積極的に推進。「景気をよくしてくれと(政府に)いうのはないものねだり」と公言する学者。五十二歳。
初入閣。衆院有事法制特別委理事を務め、「どうしても通していただきたい」と、有事立法を推進。党憲法調査会副会長の経歴も。
党費立て替え問題で批判を浴びた全国不動産政治連盟から同党宅地建物等対策議員連盟副会長として五百六十万円の献金を受けました(九九年―〇一年)。政界汚職で問題となったKSDを支援する議連に名を連ねました。サラ金被害が問題となるなか、サラ金から献金を受け取っています。党副幹事長。
衆院岐阜四区、当選五回、六十歳。
初入閣。一九八六年の初当選以来、自民、新生、新進、自由、保守、保守新と政党を渡り歩きました。
自民、民主、自由、保守新の四党国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーで八月十五日には靖国神社に参拝。二〇〇二年六月、札幌での憲法調査会公聴会では「自衛隊が九条に反するというなら、自衛隊の存在によって実行されていない九条はもはや法とは言えないのではないか」と平和憲法を否定する発言をおこないました。
総務政務次官など歴任、現在、保守新党政務調査会長。
衆院兵庫四区、当選五回、七十一歳。