2003年9月19日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党第八回中央委員会総会(十七日〜十八日)で採択された「大会決議案の全体の特徴について」(志位和夫委員長の報告から)「第二十三回党大会決議案」「総選挙と党大会に向けた活動の基本方針について」(志位和夫委員長の報告)は、つぎのとおりです。
みなさん、おはようございます。CS通信をごらんの全国のみなさんにも、心からのあいさつを申しあげます。
この中央委員会総会は、秋の解散・総選挙の可能性が濃厚になるという緊迫した情勢のもとで開かれました。
私は、幹部会を代表して、大会決議案の提案の報告をおこないます。あわせて報告の最後に、総選挙と党大会に向けた活動の基本方針についての報告をおこないます。
まず、大会決議案の全体の特徴についてのべたいと思います。この決議案には四つの特徴があります。
第一は、党綱領改定案を、直面するたたかいにどう生かすかという見地に立って、重点的に問題を提起しているということです。
今回の決議案は、これまでの大会決議案と違って、必ずしも体系的・包括的にわが党の日本改革の提案をのべるという構成にしていません。情勢の焦点になっている熱い問題で、重点的に問題を提起しています。全体で十章だてですが、重視して提起すべき問題を、いわば順不同でのべております。“一話完結もの”という形式で十章だてです。どこから読んでもらってもよいというような、かなり自由な構成になっております。
こういう決議案が可能になったのは、党綱領改定案が民主主義革命で達成すべき改革の諸課題について、綱領改定案そのものの中で体系的・包括的に明らかにしているからです。ですから大会決議案はそれを前提において、重点的に問題を提起するという構成にすることができたわけであります。
こういう新しい叙述の形式をとったために、決議案の分量も、前大会決議案の三分の二程度に短くすることができました。
第二は、綱領改定案を踏まえて、世界と日本にわが党がどう働きかけるか――たたかいの方針、活動の方針に力点をおいた決議案となっていることであります。
第一章、「世界の平和秩序を築くたたかい」では、国連憲章にもとづく平和秩序を世界に築いていくためのたたかいについてのべています。
第二章、「『異常な対米従属』からの脱却を求めるたたかい」では、日米安保体制という米国への従属体制からの脱却をめざすたたかいについてのべています。
第三章、「東アジアの平和と安定――北朝鮮問題の解決のために」は、北朝鮮問題という日本と北東アジアの平和と安全にかかわる重大問題にたいして、どういう立場で日本共産党は対応するか、についてのべています。
第四章、「日本共産党の野党外交の到達点と展望」は、野党外交という国際政治に直接働きかける新しいとりくみについてのべています。
第五章、「国民生活を守る諸闘争――たたかいによって暮らしを守るルールを」は、国民生活の切実で焦眉(しょうび)な問題で、国民にたたかいをよびかけるとともに、そのなかで党が「たたかいの組織者」として役割を発揮する、文字通りたたかいの方針をのべています。
第六章、「憲法改悪反対の一点での、広い国民的共同を呼びかける」は、改憲策動が危険な新しい段階を迎えているなかで、憲法改悪反対の一点での広い国民的共同のたたかいをよびかけています。
第七章、「社会の道義的危機を克服する国民的対話と運動を」は、新しい問題提起ですが、多くの国民が心を痛めている問題での国民的対話と運動をよびかけています。
第八章、「総選挙、参議院選挙での新しい躍進をめざして」は、目前に迫った総選挙と参議院選挙で前進・躍進をかちとるための基本方針です。
第九章、「地方政治の現状ととりくみの強化方向」は、今日の自治体をめぐる新しい特徴と党のとりくみの方針についてのべています。
第十章、「どうやって党建設を安定的な前進の軌道にのせるか」は、いかにしてこの分野での安定的前進をかちとるかについて、重点的な問題提起をおこなっています。
十の章が、どの章も、たたかいと活動の方針をのべています。それらの方針をうちだす前提となる必要な情勢分析、現状分析は、もちろんおこなっていますが、それもたたかいと活動をどうすすめるかという実践的な見地からのものになっています。
一言でのべるならば、新しい綱領をどう実践していくかという闘争方針――これが決議案の全体をつらぬく特徴であります。
第三に、どの章も、党支部のみなさんが活動するさいに、草の根での国民との接点となる身近な問題についての党の立場を明らかにしています。
平和、暮らし、憲法などの課題は、どれも党支部が国民に働きかけるさいに接点となり、また関心をよぶ問題であり、直面する国政選挙でも重要な争点となる問題です。
北朝鮮問題や野党外交などの課題は、外交問題ですから党支部が直接とりくむものではありませんが、草の根での対話のさいに大いに話題になることですし、党の値打ちを大いに語っていくべき問題です。
社会道義と子どもの問題は、多くの人々が心を痛めているたいへん身近な問題です。草の根からもさまざまなとりくみがおこなわれている問題です。
選挙闘争、自治体問題、党建設などは、どれも「支部が主役」でこそ前進する課題です。
すなわち、今度の決議案は、党機関のみなさんはもちろんですが、党支部のみなさんの日常的なとりくみにとって、“身近で使いやすい決議案”にすることを何よりも心がけて、これを作成いたしました。
最後に、第四に、秋におこなわれる可能性が濃厚となっている総選挙、来年の参議院選挙をたたかう指針としても、この決議案はそのまま生かすことができます。
決議案で提起している政治課題は、きたるべき政治戦での生きた争点となる問題であります。選挙をいかにたたかうかの方針についても、その基本点は決議案にもりこまれています。
綱領改定案を土台に、大会決議案を指針に、当面の政治戦をたたかい抜く――この姿勢が重要であります。
以上のような特徴をもった決議案だということをつかんで、全体をみていただきたいと思います。そのうえで、各章ごとの説明をおこないたいと思います。
(以下、志位委員長は決議案の各章ごとにその中心点を報告しました)