2003年9月17日(水)「しんぶん赤旗」
道路関係四公団の民営化(二〇〇五年四月予定)後に建設予定の約五十路線について採算性を試算したところ、借入金を返済できる路線は一つもないことが、十六日に開かれた政府の「道路関係四公団民営化推進委員会」の会合で明らかになりました。国交省道路局が報告したもの。
昨年末の委員会報告では、不採算路線を民営化会社は引き継がないことにしており、国交省の佐藤信秋道路局長は「直轄方式(国が税金で建設)か、合併施行方式(国と民営化会社が資金を出して建設)でつくることになる」とのべ、赤字路線を国が肩代わりしてでも建設する考えを表明。民営化してもムダな道路建設に歯止めがかからないことが改めて明らかになりました。
道路局によると、建設予定の五十数路線について費用対効果や採算性、外部効果(高速バスの利便性が高まるなど十六項目)の三本柱で試算。将来の交通量変化などを全国均一で試算したものながら、借入金を100%回収できる路線は一つもなく、逆に債務が膨れ上がる路線さえあることが明らかになりました。
また、十六項目の外部効果について都道府県知事などのアンケートなどにもとづいて傾斜を加えて五段階評価した結果を報告。十九路線のうち「四」以上は一路線しかなく、採算性以外の要素を考慮しても、道路建設の必要性が乏しいことが明らかになりました。