2003年9月15日(月)「しんぶん赤旗」
東京都内で開かれていた国労(国鉄労働組合)第七十一回定期大会は十四日、運動方針を賛成多数で採択し、新役員を選出して閉会しました。
討論では、千四十七人の解雇撤回の重要な手段として、日本政府に公正な解決を緊急に求めた六月のILO(国際労働機関)勧告を活用し、政府とJRに「勧告に基づいて、早期解決をはかれ」との運動の経験や決意が相次ぎました。
北海道の代議員は、一方の当事者の建交労との共同は不可欠と指摘。シンポジウムや学習会を連鎖的にすすめ、ILOに提訴している公務員労働者らのたたかいとも結集して国民的運動にしていきたいと表明しました。
静岡の代議員は、「四党合意」で休止していた「国鉄闘争を支持する県民の会」を再開して支援をよびかけるSLのイベント列車を実施し、これまでつながりのなかった労働組合が家族連れで五十人も参加し、署名を寄せたと報告。地域共闘を再編したという東京の代議員も駅頭での宣伝を増やし、各団体と共同して四万人規模の区民まつりにとりくんでいるとのべました。
地方議会や国会議員などに働きかけを強めている発言がありました。
解雇撤回闘争と結んで、利用者・国民の足を守り、安全・安定の輸送を確立させていく運動を広げている報告がありました。近畿の代議員は、国労が単一組織を堅持して広範な労働組合によびかけて続けている春闘での「一日共同行動」を紹介し、「安全問題を通年闘争と位置づける」とのべました。
一部闘争団が起こしていた訴訟をめぐる処分問題では、「統制処分では団結の回復はできない」という意見もありましたが、闘争団員二十二人を三年の権利停止にするとの査問委員会の答申を賛成多数で承認しました。
選出された新役員は次の通りです。(敬称略)
▽委員長=酒田充(東京地本・新)▽副委員長=田中浅雄(近畿地本・再)▽書記長=吉田進(長野地本・新)