2003年9月14日(日)「しんぶん赤旗」
サービス残業問題で厚生労働省は、来年度予算の概算要求に、全国七ブロックでの無料電話相談窓口の開設、四十七都道府県の労働局に専任のアドバイザーを配置することを、初めて盛り込みました。「賃金不払残業(サービス残業=ただ働き)の解消に向けた取組の推進」(一億六千万円)です。
厚労省は、二〇〇一年四月の「サービス残業根絶通達」につづき、今年五月には「サービス残業解消対策」のための「要綱」と「指針」を発表。使用者による労働時間の適正な把握をはじめ、労使が協力し、職場風土の改革やチェック体制の整備などを通じて違法状態の解消に取り組むとしています。
厚労省は、全国七ブロック(北海道・東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州・沖縄)で休日を含めたキャンペーン期間中にフリーダイヤルで無料電話相談をおこなうとしています。非常勤職員として、サービス残業問題専任のアドバイザーを全国四十七都道府県の労働局に常駐させます。
評価したい 日本共産党国会議員団厚生労働部会長・小沢和秋衆院議員の話 サービス残業の是正を求める労働者や家族からの申告はこの数年、全国で増えつづけており、これにこたえようとするもので評価したい。サービス残業は違法な企業犯罪だが、事実を告発できれば是正できる。予算要求が実現し、運動がいっそう発展するよう取り組んでいきたい。 |
日本共産党の井上美代参院議員は二〇〇一年十月十八日の厚生労働委員会で、「サービス残業一一〇番など、実態もわかる、厚労省も努力していると見えるようなことをしていただきたい」と要求。南野知惠子厚労副大臣(当時)は、「サービス残業の解消については、労働基準行政の中でも重要な課題の一つだ」と答弁しています。
日本共産党は、一九七六年五月に沓脱タケ子参院議員(当時)が予算委員会で「サービス残業」という言葉を初めて使って質問。以来、衆参合わせて通算二百四十一回にわたり、サービス残業根絶を求めて質問してきました。サービス残業をめぐる国会での全質問(三百九十五回)のうち、日本共産党の質問は六割を超えています。