2003年9月13日(土)「しんぶん赤旗」
医薬業界の六政治団体が昨年、寄付・交付金として約三十五億円を支出、このなかから自民党や厚生族議員などに献金していたことが、二〇〇二年分の政治資金収支報告書で分かりました。これらの政治団体の献金は医療保険財政を原資にしており、いわば公的資金の還流の構図。医療保険財政の悪化を口実に国民には高齢者の自己負担を増やすなどの医療負担増を押し付ける一方、自民党や厚生族議員などは巨額の献金を受け取っています。
問題の六政治団体は、日本医師連盟、日本歯科医師連盟、日本薬剤師連盟、日本看護連盟、製薬産業政治連盟、日本薬業政治連盟。これら六政治団体は寄付・交付金として、一昨年の約三十八億円からは若干減ったものの約三十五億円という巨額の支出をしています。
この巨額資金は、自民党の政治資金団体・国民政治協会や族議員などに献金したり、支部交付金などとして支出されています。このうち百万円を超える大口献金先だけをみても、のべ百二十二政治団体にのぼります。
六政治団体からの献金が最も多かったのは、国民政治協会で約七億円。自民党の南野知恵子元厚生労働副大臣も、顧問をつとめている日本看護連盟から二億一千万円もの巨額献金を受け、二位になっています。
厚生労働副大臣としてサラリーマン本人の医療費自己負担割合の三割への引き上げを推進してきた木村義雄氏も、二千六百十万円の献金を受けています。
厚生族議員である小泉首相も七百万円の献金を受けています。小泉首相の資金管理団体「東泉会」の政治団体からの寄付収入をみると、健康保険政治連盟の四百万円をくわえるとほぼすべてが医薬業界からのものとなっています。
国民政治協会(自民党) 7億0663万 南野知恵子(元厚生労働副大臣) 2億1000万 松本純(落選) 3700万 志帥会(江藤・亀井派) 2850万 新財政研究会(堀内派) 2750万 木村義雄(厚生労働副大臣) 2610万 保守政治協会(保守党) 2600万 山崎拓(自民党幹事長) 2200万 森喜朗(元首相) 2150万 丹羽雄哉(元厚相) 1900万 武見敬三(参院厚労委理事) 1500万 鈴木俊一(環境相) 1500万 伊吹文明(元労相) 1430万 井上裕(前参院議長) 1200万 持永和見(元社保庁長官) 1200万 橋本龍太郎(元首相) 1050万 渡部恒三(衆院副議長) 1000万 近未来研究会(山崎派) 1000万 清和政策研究会(森派) 1000万 阿部正俊(前参院厚労委員長) 1000万
日本医師連盟 12億4311万 日本歯科医師連盟 10億3939万 日本薬剤師連盟 2億9341万 日本看護連盟 7億8075万 製薬産業政治連盟 1億0400万 日本薬業政治連盟 5057万 合計 35億1123万