日本共産党

2003年9月12日(金)「しんぶん赤旗」

ムネオマネー2.4億円 受け取った自公議員

政治資金報告

返還不明37人

“なぜ返す必要が”居直りも


 受託収賄罪などに問われ裁判中の衆院議員、鈴木宗男被告の政治団体から受け取ったムネオマネーで、十四人の国会議員(元議員含む)が返却する一方、返還不明議員(元議員含む)は三十七人、金額にして一億六千五百四十五万円にのぼる――。こんな実態が十二日付官報で公表された二〇〇二年の政治資金収支報告書と本紙の調べで明らかになりました。


 ムネオマネーの恩恵にあずかっていたのは、「ムネムネ会」を中心に、自民、公明議員五十八人で、総額約二億四千万円にのぼっています。(本紙調査。九八年から二〇〇〇年の三年間、パーティー券代を含む)

 二〇〇二年の収支報告書によると、鈴木被告の資金管理団体「21世紀政策研究会」に返金していたのは、十四人の関連政治団体で、返却額は総額五千三百二十五万円となっています。また、本紙調査に対し、中川昭一衆院議員、山下善彦参院議員ら七人が返還したと回答しています。

 一方、返還不明議員は三十七人。金額も一億六千五百四十五万円にのぼり、ムネオマネーの大半が議員のふところにはいったままの形となっています。

 返却してない吉川貴盛自民党衆院議員の事務所は「(返還した)ほかの先生はほかの先生。なぜ返す必要があるのか」と居直るようなコメント。返却不明の桜田義孝事務所や田中和徳事務所などは「担当者と連絡がつかない」と答えました。

 鈴木被告と親しかった松岡利勝自民党衆院議員の事務所は本紙の取材に文書で質問するよう求めてきたのに、「連絡とれない」として回答しませんでした。

 このほか、新藤義孝衆院議員事務所は「議員本人以外わからない」などと答えています。

 他方、八百万円のムネオマネーを返還した山口泰明議員の事務所は「当選以来、いただいたものは全部返した。(返金した理由は)いわずもがな、語るもがなのこと」と回答。五十万円を返金した公明党の遠藤和良事務所は「議員も当時、不用意に受け取ったといっていた。返金したのはいろんな思いがあってのこと」と説明しました。また「返さない議員の方をもっと追及してほしい」と語る秘書もいました。

ムネオマネーを返金した議員名と金額(万円)
議員名選挙区政治団体返金額
[自民]
棚橋泰文岐阜2区21世紀を拓く会200
大村秀章愛知13区秀成会650
佐藤静雄北海道4区静山会200
下地幹郎比例九州新しい日本を創造する会50
茂木敏充栃木5区栃木県第5選挙区支部200
松下忠洋比例九州松洋会450
同上 鹿児島県衆院比例区第1支部300
山口泰明埼玉10区泰進会400
同上 埼玉県第10選挙区支部400
横内正明山梨3区地域未来研究会750
常田享詳参院鳥取鳥取県参院選挙区第2支部200
熊代昭彦岡山2区創造の会25
同上 岡山県第2選挙区支部100
萩野浩基比例東北はぎの浩基後援会200
同上 宮城県衆院比例区第2支部400
滝 実奈良2区奈良県第2選挙区支部700
長野祐也元衆院議員内外時流研究所50
[公明]
遠藤和良比例四国遠藤和良東京後援会50
   計 5325


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