2003年9月12日(金)「しんぶん赤旗」
昨年(二〇〇二年)分の、政党や政治団体の政治資金収支報告書が公開されました。特徴的なのは、国からの政党交付金(助成金)に依存する割合が、受け取りを拒否している日本共産党以外、どの党もいちじるしく高くなっていることです。
政党交付金はもともと国民の税金です。政党のあり方から見ても、税金の使い方から見ても、政党のこの税金頼りはひどすぎます。
各党の依存割合は、自民党66・1%、公明党18・9%、民主党81・8%、社民党54・2%、自由党88・7%、保守新党42・1%と、軒並み高い水準です。昨年は大きな選挙がなく、各党とも収入を減らしたことがあるにせよ、収入の八、九割を税金に依存して、まともな政党といえるのか。これではまるで、「国営」政党のありさまです。
政党交付金はもともと、支持政党にかかわらず、国民に一人あたり二百五十円の負担を課すもので、国民の思想・信条の自由を侵す憲法違反の制度です。政府が政党交付金の支給を通じて政党をコントロールすれば、政治活動の自由や結社の自由を侵すことにもなります。
しかもこの制度は、日本共産党が受け取りを拒否した分が、他の政党に配分されるという、二重に不当なものになっています。
本来、政党の財政は、党員の党費や機関紙など政党本来の事業活動、支持者の寄金などでまかなうべきものです。現に日本共産党は違憲の政党交付金の受け取りを拒否し、企業・団体献金ももらいませんが、党費や機関紙活動で旺盛な財政活動を展開しています。
違憲の交付金を受け取り、収入の大半を依存するという各党の姿は、政党のあり方として重大な問題であり、異常な税金頼みは政党の衰退現象そのものです。
政党交付金は、総額では毎年三百億円以上、制度発足から昨年までの八年間の合計では約二千五百億円にも上っています。ことしも三百十七億円あまりが、日本共産党以外の政党で分け取りされる計画です。
納税者である国民が不況に苦しみ、医療や年金などの負担増を押しつけられている中で、政党だけが巨額の交付金を受け取っていいのか。交付金の実態は、税金の使い方としても大きな問題です。
昨年、母子家庭への児童扶養手当が大幅に削減されましたが、年間の削減額は三百億円。政党交付金を廃止すればおつりがくる計算です。だいたい国民には負担増を押し付けながら、政党交付金だけは「聖域」にして指一本触れないというのでは、“お手盛り予算編成”という非難を免れないではありませんか。
現に、奈良県上牧町、北海道小清水町などの自治体や、東京都新宿区の町会連合会などから、政党交付金を廃止し、不況対策に回せなどの要望が相次いでいます。こうした声に応えることこそ政党の責任です。
政治資金は、政党の活動を映し出す鏡のようなものです。それが政党交付金の廃止を求める国民の声にこたえず、税金依存を続けるようでは、政党としてはその役割を問われるのを免れることはできません。
自民党など多くの党は、政党交付金をもらうだけでなく、企業・団体献金との「二重取り」も続けています。日本共産党が、国民と草の根で結びついた党であることは、旺盛な財政活動をみても証明されているのではありませんか。