2003年9月12日(金)「しんぶん赤旗」
出資法の上限金利(29・2%)を34・675%に引き上げることを掲げるサラ金など貸金業界の政治団体が昨年買った国会議員パーティー券の詳細な内容が十二日付官報公表の政治資金収支報告書と本紙調査でわかりました。一件五万円以上の支出額が記載されたのは三十三議員で、自民派閥、県連などをふくめ五百五十九万円にのぼっています。
この政治団体は全国貸金業協会連合会(全金連)の政治団体「全国貸金業政治連盟」(全政連)。
本紙八月十七日付は、全政連が昨年、政界工作のために国会議員のパーティー券を購入、「協力リスト」として、国会議員八十四人(落選者ふくむ)の氏名を記載したリストを作成していたことを明らかにしました。
今回、判明したのは、このリストのうち(1)一件五万円以上で政治資金収支報告書に記載された議員名と金額(2)五万円以下で本紙が個別に議員に問い合わせて回答があった分。
判明した分で金額が一番多かったのは、衆院財務金融委員の上川陽子自民党衆院議員の三十五万円。このほか、甘利明・同党筆頭副幹事長(三十二万円)、塩崎恭久・同党財務金融部会長(二十万円)が続きます。閣僚では石原伸晃行政改革担当相が十万円。公明党の坂口力厚生労働相も昨年十二月に開いたパーティーで二万円分買ってもらっていました。自民党の山崎拓幹事長(六万円)、民主党の岡田克也幹事長(十万円)ら政党幹部の名前も。十一日現在の国会議員で記載されているのは自民六十七、公明二、保守新二、民主五、自由一、無所属二。全政連によると、昨年全体のパーティー券購入費用は九百三十一万五千円で、前年の三倍にのぼっています。
収支報告書によると、全政連は公明党機関紙「公明新聞」を年間九十九万九百円分、自民党機関紙誌約三十三万円も購読していました。
全政連 出資法の上限金利引き上げを目標に掲げ、二〇〇〇年十一月に設立されました。出資法上限金利は三年前、高金利批判の世論のなか、40・004%から29・2%に引き下げられましたが、金利見直しの今年、危機感を持った全政連が政界工作。金利の「さらなる引き下げは止めることができた」(小倉利夫全金連会長・前全政連会長)と“成果”を誇っています。