2003年9月11日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党茨城県委員会は十日、日立製作所が法律を無視して現業以外のホワイトカラー労働者全員に裁量労働制を導入しようとしている問題で、厚生労働省に厳しく行政指導するよう要請しました。小島修県書記長(衆院茨城一区候補)ら県内七人の衆院選挙区候補が出席、大門実紀史参院議員が同席しました。
日立市を中心とする茨城県内に主力工場が集中する日立製作所は、現業以外の事務・技術・営業の労働者全員に裁量労働制を来年から導入するとして、労働組合との協議をすすめています。
要請団は、日立が裁量労働制を導入しようとしているのがホワイトカラー全体であり、労働基準法を際限なく拡大した違法なものであると指摘。労働組合が配布している職場討議資料も示し、他の会社に派遣されていたり、顧客先に常駐している労働者にまで裁量労働制を適用しようとしている事実をあげて厚労省の見解をただしました。
厚労省側は、「現業以外のすべての労働者に適用するなどということは、法律に定める導入要件を逸脱する。他の会社に派遣されている労働者に適用するなど論外である」とのべました。
大門参院議員は、「重要な問題であり社会的影響も大きい。あらためてこの問題での詳細な要請をする。国会でも取り上げていきたい」と表明しました。
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裁量労働制は、実際の労働時間とは関係なく、あらかじめ労使で決めた時間分働いたものと「みなす」制度です。労働者を「みなし」時間以上働かせることで、違法なサービス残業(ただ働き)を合法化しようとするものです。
今回の労働基準法の改悪で、裁量労働制の導入にあたっての要件が本社以外にも広げられるなど大幅に緩和されましたが、「企画、立案、調査および分析の業務であること」「業務の性質上業務遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があること」「業務遂行の手段、時間配分を具体的に指示しない業務であること」などの要件が必要です。