日本共産党

2003年9月11日(木)「しんぶん赤旗」

映画フィルム 保存予算9倍に


文化庁概算要求

 来年度の文化庁概算要求で文化庁は、「わが国の文化遺産である映画フィルムを後世へ確実に継承するため」として、五億百万円を要求しています。これは、前年度五千四百万円の九・三倍にあたります。

 国立の映画専門機関である東京国立近代美術館フィルムセンターが収集・保管する事業を実施し、一年に約四百本を保存します。

 文化庁長官のもとにつくられた映画に関する懇談会が今年四月に発表した「これからの日本映画の振興について」では、「文化遺産としての映画フィルムの保存」を第一番目の基本方向と提言。「保存のための負担は一企業としては重く、このままでは修復不可能に陥るフィルムも発生し得るため、わが国の文化遺産保護の観点から問題」「このため、国は国内で製作され公開された映画作品を文化遺産として保存・継承を行う必要がある」と強調していました。

 今回の大幅アップは、この提言を反映したものとなっています。

粘り強い運動実る

 西山とき子参院議員(日本共産党国会議員団日本映画振興チーム会長)の話

 わが党は、〇二年四月、日本映画振興チームを立ち上げ、映画団体・映画人との懇談、フィルムセンターや撮影所の視察、それをふまえての文化庁申し入れ、文教科学委員会、経済産業委員会等での質問などで、日本映画振興を訴えてきました。八月五日には、映画フィルム保存に思い切って支援を充実させることなどを要望しました。今回は、映画に関する懇談会の提言を受けた形で、フィルム保存の予算が概算要求に大幅に盛り込まれたことは、ねばり強い映画関係者の運動などの成果であり、喜ばしいことです。いっそう公的支援、人材養成、撮影所の整備等、日本映画振興のために尽くしたいと考えます。


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