日本共産党

2003年9月10日(水)「しんぶん赤旗」

野中氏

「小泉政治否定に燃焼」というが…


 自民党総裁選をめぐる同党最大派閥・橋本派の混迷は、ついに“実力者”野中広務元幹事長の政界引退宣言にまで発展しました。旧経世会(竹下派)以来、長く自民党を牛耳ってきた最大派閥の分裂は決定的となりました。

 同派では、総裁選に藤井孝男元運輸相を「仲間として温かく送り出す」(橋本元首相)ことを決めたものの、同派幹部の青木幹雄参院幹事長ら四人が小泉純一郎首相の推薦人に登録。八日夜には、村岡兼造会長代行と久間章生事務総長の派閥幹部二人が、首相支持を明らかにしました。藤井氏を支えるはずの幹部が先頭になって小泉支持へなだれをうちはじめた格好でした。

 野中氏は、こうした動きについて「目先のポストにとらわれている」「政治家として許すことができない」などと激しい言葉で非難しました。裏切り行為であり、郵政民営化や道路公団民営化では、“族議員”として小泉首相を批判する側にいた青木氏や村岡氏には「理念、哲学がない」というわけです。

 官房長官−幹事長として「金とポスト」で“実力者”にのしあがった野中氏が、ポスト狙いだと青木氏らを批判するのも皮肉な話です。

 「反小泉」の急先ぽうとして、統一候補をめざしたが果たせず、足元の派閥さえまとめられない−−。野中氏の引退は結局、同氏らを「抵抗勢力」として対決ポーズをとることで支持率をあげてきた小泉首相との権力闘争に敗れた結果ともいえます。

 野中氏は、「小泉政治否定に燃焼し尽くす」とのべましたが、従来型の利権構造に固執し、小泉政治への明確な対案を示せなかったところに「敗北」の要因がありそうです。 (藤)


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