2003年9月9日(火)「しんぶん赤旗」
今年度の四月から六月末までの陸、海、空三自衛隊の自殺者の概要が八日、防衛庁の調べで明らかになりました。六月末までの三自衛隊の自殺者は、陸十三、海七、空三人の合計二十三人(八月二十七日現在の同庁の集計)。このまま推移すると、来年三月の年度末には百人前後にもなり、これまでの最高になる可能性がでてきました。
同庁が自殺自衛官の所属部隊まで明らかにするのは初めて。年齢については、「自殺者が特定されるおそれがある」として伏せています。同庁人事教育局によると、二十三人の自殺の原因は病苦三、借財六、職務三、その他・不明十一人となっています。
防衛庁によると二十三人以外に、その後自殺だと判明した数は六人おり、六月末現在では計二十九人となります。本紙の調べでは、七月にはさらに二人が自殺しており、四月から七月の四カ月間で三十一人にもなります。一年間の自殺者の最高は昨年度の七十八人です。
自衛官の自殺問題については日本共産党の小沢和秋衆院議員や吉岡吉典参院議員が追及。七月の小沢質問では、九三年から〇二年までの十年間で六百一人も自殺している事実が明らかになりました。
小沢議員の調査では、原因不明の自殺者の多くが、上官による「陰湿ないじめにあった」や「勤務上のミスによる追及でノイローゼになって自殺した」(家族や同僚の訴え)などがあります。
同庁は「自殺事故防止対策本部」を設け、上司など部内外のカウンセラーに相談できるようにしていますが、現状では防止に役立つ状況にはなっていません。