2003年9月7日(日)「しんぶん赤旗」
「目ん玉売れ」などと脅迫して年利40%もの超高金利で中小零細業者を自殺にまで追い込んだ商工ローン被害。社会問題になってから四年が過ぎましたが、長引く不況は現在も深刻な被害を広げ、六日行われた「全国いっせい商工ローン110番」では相談が相次ぎました。
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「電話は鳴りっぱなし。予想を超える相談数です」と話すのは和田聖仁弁護士。「十年間も高い金利で払いつづけてきた。取り戻すことはできないか−など必死で返済しつづけている業者の苦悩が伝わってきました」といいます。
日栄・商工ファンド対策全国弁護団などが仙台、埼玉、群馬、東京、名古屋の五カ所で行ったもので、東京だけで約五十件の相談がありました。
茨城県の業者は一九九〇年に日栄(現ロプロ、本社・京都市)から四百万円を借り、二〇〇一年に完済。一九九六年には別口で商工ファンド(現SFCG、東京・中央区)から七百万円を借り、昨年九月に完済しました。「最高裁の判決を知りましたが取り戻すことはできるでしょうか」という相談。「利息制限法(年利15%−20%)を超える金利は違法ですから、払い過ぎになっているので取り戻せます」という弁護士の助言に大喜び。
千葉県松戸市の会社員は会社の社長から連帯保証人を頼まれました。ところが会社は倒産。会社員の銀行預金や生命保険を差し押さえられて相談の電話をかけました。
茨城県で設備会社を営む女性は、一九九九年十月に商工ファンドから電話で勧誘をうけ二百万円借りました。「毎月五万六千円払っているが元金が五万円しか減っていないといわれ、もう限界」と相談。「四年間も払いつづけているので払い過ぎになっている可能性があります」とのアドバイスにホっとしていました。
呉東正彦弁護士は「被害は今も継続し、ヤミ金からの借金にまで追いこまれている。相談の内容は、一つは高金利で払ったが取り戻せるか。もう一つは現在も払っているが限界というもの。また、これまで健全経営だったが長引く不況で仕方なく借りた。しかし、払えなくなった業者の相談です。高金利をなくし、無担保無保証の制度をつくるなどの行政の対応がもとめられている」と話しています。