2003年9月2日(火)「しんぶん赤旗」
トラックやコンクリートミキサー車の労働者でつくる建交労(全日本建設交運一般労働組合)関西支部は、大企業の横暴をはねかえして解雇撤回・職場復帰をかちとったたたかいの経験を三、四の両日に開かれる「リストラ反対、雇用と地域経済を守る全国交流集会」に反映させようと三人の代表を送ります。
関西支部ではこの間、争議をたたかっている二十四職場のうち、十七職場で解決しました。国内最大のセメントメーカー・太平洋セメントを相手に偽装倒産から七人全員が職場へ戻った西神戸レミコン運輸のたたかいや、工業ガスメーカー最大手のエア・ウォーターの子会社解散・全員解雇から十八人の解雇を撤回させた大同ほくさん運輸分会のたたかいなどがそれです。
エア・ウォーター闘争は、同社の物流部門を担当する子会社の社長が昨年九月、会社を解散し労働者全員を半月後に解雇すると通告してきたのが発端です。建交労の組合員が職場の多数を占める堺営業所を切り離すという露骨な組合つぶしと、もうけのためには労働者の生活を犠牲にする横暴勝手なやり方でした。
組合側は会社が借りている建物に「闘争本部」を設置し、組合員が交代で泊まり込みました。
工場閉鎖・全員解雇を強行した会社側は十月、社長が陣頭指揮し三十数人を引き連れて深夜、組合員が泊まり込んでいる事務所を襲撃、解体重機で事務所を壊し、組合員に負傷を負わせる重大事件まで引き起こしました。
関西支部は厳しく抗議するとともに、堺労連や大阪府職労、堺市職労、生協など地域の労働組合や民主団体によびかけ、支援共闘を結成。「暴力は許さない」と書いた立て看板を設置し、エア・ウォーター本社前の座り込みや駅頭宣伝、百九十軒の得意先への要請と世論に訴えてきました。
得意先の訪問では、組合員の訴えに耳を傾け、「取引先を変える」「エア・ウォーターに抗議したい」と共感が広がりました。ある大手家電工場では、担当者が「社の会議で問題にします。がんばってください」と激励する一幕もありました。
世論と運動に押されたエア・ウォーター側は、闘争の中止を組合側に申し入れてきました。わずか三カ月間でスピード解決をみました。
関西支部の長島和眞委員長は「裁判所の命令を待たず、広範な団体と個人の方々の支援に支えられ、追い詰めた画期的な成果です。全国交流集会には、たたかってきた分会の役員と支部代表が参加します。首切りや雇用不安に悩み苦しんでいる人たちと運動を交流したい」と話しています。