2003年9月2日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の市田忠義書記局長は一日、国会内で記者会見し、「安定した雇用を増やし、雇用危機を打開するための四つの緊急提案」を発表しました。小泉政権が、大企業のリストラを促進し、派遣労働、パート労働、契約社員などを増やして雇用不安と失業をひどくしているもとで、緊急な取り組みを必要とする課題として発表しました。
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長時間労働の是正、サービス残業の根絶による新雇用の創出について、市田氏は「政界、経済界、労働界をあげた本格的な取り組みにしていきたい」と提案。サービス残業の根絶だけで失業率を2・4%押し下げ、GDP(国内総生産)を2・5%押し上げるとの試算を紹介しました。サービス残業をくり返す企業名の公表など違法行為の実態を示すほか、国会に特別委員会を設けて、長時間労働の是正をはかる方針などを説明しました。
若者の雇用拡大では、党首討論で、小泉純一郎首相が是正を約束したことをあげ、大企業に若者の雇用責任を果たすよう強力にはたらきかけることを主張。また、フリーターの労働条件改善と正社員としての採用拡大のため、同じ会社で派遣労働を一年間した場合は、正社員にすることを義務づける法改正を求めていることをあげました。
さらに、深刻な人手不足に悩む福祉・医療・防災・教育など国民生活になくてはならない分野で雇用を計画的に増やすこと、地方自治体が雇用創出にとりくむなかで地方での雇用計画に国が財政的に支援するよう求めることなど、緊急提案の内容を説明しました。
市田氏は「いずれもきわめて当たり前のことで、政治的な立場や短期的な利害の対立を乗りこえて、知恵と力をあわせる時期だ」と強調。「おおいに対話をすすめ、たたかいをもりあげていきたい」とのべました。
記者会見には、日本共産党政策委員会の寺沢亜志也事務局長が同席しました。
1、長時間労働・サービス残業をなくして、新規雇用を増やす本格的な取り組みを――サービス残業をなくすだけで百六十万人の雇用が創出できます
2、未来をになう若者に仕事を――政府と大企業の責任で若者の雇用拡大を
(1)大企業は、新規採用の抑制をやめ、若者の雇用に責任をはたせ
(2)「フリーター」の労働条件改善と正社員採用を
3、国民のくらしに必要な分野での人手不足を解消して、雇用を増やす
4、国が、自治体の雇用対策に財政支援をおこなう枠組みをつくる