日本共産党

2003年8月31日(日)「しんぶん赤旗」

「イラク主権回復」「国連中心」

仏大統領、改めて強調


 【パリ29日浅田信幸】フランスのシラク大統領は二十九日、各国駐在大使ら仏外交団の代表二百人を集めた毎年恒例の外交団会議で演説し、治安悪化が進行する米英中心のイラク占領統治について、あらためてイラクの主権回復と復興における国連の中心的役割の必要性を強調しました。

 シラク氏は、「カオス(混とん状態)の危険を前にして、治安を基礎とする対応は必要だが、それだけでは十分ではない。回答はまず政治的でなければならない」とのべ、「権限と主権をイラク人自身の手に移すことが唯一の現実的な選択だ。国連だけが全面的な正当性を与えうるプロセスの枠組みにおいて、それを遅滞なく実行しなければならない」とのべました。

 その上で「この枠組みが確立してのみ、国際社会は同国の復興に効果的かつ全面的な協力をもたらすことができる」と指摘。名指しは避けながらも、米国がイラクの治安安定化のため米国の指揮の下で各国の軍派遣を要請し、国連に指導的な役割を与えることを拒否し続けている姿勢を批判しました。

 シラク氏はまた、仏外交路線の一般原則として「国際秩序における法の優位」を説き、「地球的規模の民主主義を推進し、単独行動主義の誘惑に抵抗し、調和と均衡のある地域間の関係を建設することは、夢でもユートピアでもない」とのべ、ここでも国際法を無視して単独行動主義に傾きがちな米ブッシュ政権とは一線を画す姿勢を鮮明に打ち出しました。


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