2003年8月30日(土)「しんぶん赤旗」
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総務省が二十九日発表した労働力調査によると、七月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ5・3%、完全失業者数は一年前と比べ(前年同月比)十万人減の三百四十二万人で、依然高水準で推移しています。
完全失業者の求職理由をみると、リストラや雇用契約満了(雇い止め)など非自発的離職者は百五十一万人。一年前と比べ九万人増加しました。一方、自発的離職者は百三万人で、同十六万人減りました。
年齢層別で完全失業者数をみると、五十四歳以下の各層がいずれも一年前より減少しています。いったん失業すると再就職が難しいため、自発的離職を思いとどまるケースが多くなっているためとみられます。
月末一週間の就業時間をみると、三十時間未満と四十九時間以上の労働者が増加しています。パートなど不安定雇用と、長時間・過密労働など労働条件の悪化が広がっているとみられます。
就業者数は一年前より七万人増加し六千三百八十一万人、雇用者は同三万人増加の五千三百八十二万人、自営業主・家族従業者は同一万人増加の九百七十二万人でした。
総務省では「就業者の増加など明るい兆しはあるが、勢いは緩やか」(統計局)と分析しており、慎重な見方を崩していません。