日本共産党

2003年8月29日(金)「しんぶん赤旗」

6カ国協議

「核」平和解決へ本格討論

中国が共同文書草案を準備


 【北京28日田端誠史】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は二十八日、北京の釣魚台迎賓館で二日目の全体会合などを開き、二十九日午前の閉会を前に、共同文書の調整に入りました。中国外務省は「朝鮮半島の非核化が共同目標であると各国が表明した」との声明を発表。「非核化」が共同文書に盛り込まれる可能性もあります。


 この日、各代表は、前日の各国の基調演説をもとに、核問題を平和的に解決するために突っ込んだ討論をおこないました。全体会議は午後二時(日本時間同三時)すぎに終了。日本と北朝鮮、ロシアと北朝鮮、ロシアと韓国の個別協議もおこなわれました。

 全体会合に先立って北京の米大使館で開かれた日米韓三国の協議は、北朝鮮の基調演説や米朝協議での説明などについて検討したといいます。この日の協議では、北朝鮮の核兵器の「検証可能かつ不可逆的な核計画放棄」で完全廃棄を求める米国側と、米国の対北朝鮮「敵視政策」撤回と「不可侵条約」を要求している北朝鮮側の接点の模索が焦点でした。

 米側は、条約締結は否定しているものの、不可侵や政権交代を求める考えもないことを口頭で表明しています。他方、北朝鮮は、米国との不可侵条約締結を条件に核査察の受け入れ、核開発計画放棄に踏み切る姿勢を示しており、双方の主張のすりあわせが可能かどうかが注目されています。

 中国が準備した共同発表文書には、北朝鮮の核開発問題の平和的解決、六カ国協議の継続実施と次回協議の日程などが盛り込まれているとみられます。


日朝が2度協議

拉致問題に進展みられず

 【北京28日小寺松雄】北京での六カ国協議に参加している日本代表団は釣魚台迎賓館で、二十八日午前、午後の二回にわたり北朝鮮の核開発と拉致問題について北朝鮮代表団と協議しました。この席で日本代表の藪中三十二外務省アジア大洋州局長は、核問題について「米日韓提起の建設的な部分を見てほしい」と発言。拉致問題については、拉致被害者家族の帰国と、その他の拉致被害者についての真相解明を強く求めました。

 これに対して北朝鮮代表の金永日外務次官は、核問題については「米国の朝鮮敵視政策の撤回が先決」とするこれまでの立場を主張。拉致問題についても「日本は(帰国した拉致被害者)五人を北朝鮮に返すということだったのに、約束違反だ」と従来の主張を繰り返しました。

 今回の二回の協議はそれぞれ約二十分ずつ。日朝の日本側代表団の一員は「拉致問題は平行線といっていいと思う」との認識をしました。

 日朝間の公式協議は、昨年十月のクアラルンプールでの国交正常化交渉が途絶えて以来初めてです。


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