日本共産党

2003年8月28日(木)「しんぶん赤旗」

シリーズ ここまできた公明党

連立4年を前に

負担増強行 自民も顔負け


医療費

 今年の通常国会は、医療費のサラリーマン本人三割負担の実施が焦点となりました。日本共産党など野党四党は、負担増凍結法案を共同提出しましたが、公明党は、「私は三割負担をお願いした張本人」と自称する坂口力厚生労働相を先頭に、負担増の実施強行の露払い役を果たしました。

意見書つぶし

 医療費の三割負担には、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会がそろって凍結を主張。地方議会でも二十二道府県、三政令市などが三割負担凍結を求める意見書を採択するなど、負担増凍結を求める世論は大きく広がりました。

 自民党内にも動揺が広がるなかで、公明党は世論と運動の抑え込みに躍起になったのです。とくに、地方議会の意見書では、公明党だけが反対したり、採決の際に退場するケースが相次ぎました。

 冬柴鉄三幹事長は「公明党だけが熱心に(負担増を)推進しているのではないかと批判をうけている」と、自民党の山崎拓幹事長に、自民党も意見書をつぶせとねじ込みました。北海道議会で公明党が意見書に賛成したときには、神崎武法代表が「党中央幹事会に従わなかったのは遺憾だ」(二月十九日)とのべ、処分までおこないました。

 一九九七年に厚生省が三割負担をもりこんだ医療制度改悪案を出したとき、「『地獄の沙汰(さた)も金次第』への医療に道を開く」(金沢市議会)と反対していたのと様変わりです。

論戦でも先頭に

 国会でも、木庭健太郎議員は、参院予算委員会(三月六日)で「自民党内にも凍結の声がある。こんな声が上がれば、国民の不信を招きますよ。だれだって負担が少ない方がいいに決まっていますよ」と、自民党に八つ当たり(三月六日、参院予算委員会)。

 荒木清寛議員は「三割負担を凍結することはかえって問題の先送りで財政を悪化させる。国民皆保険制度を守るという危機感の上でき然と各地域で訴えているのは公明党だ」と、負担増推進を誇ってみせました(三月十日、参院決算委員会)。

国民不安あおる

 公明党は三割負担について「凍結すると…国民皆保険制度は崩壊して、いつでもどこでもだれでもの医療が受けられなくなる」(公明新聞三月二十三日付)と、国民の不安をあおりました。

 しかし、公明党は自民党と連立を組む前は、「医療費の新たな患者負担増には断じて反対です」(公明新聞九八年六月六日付)と主張。九七年に厚生省(当時)が三割負担導入などの計画を発表したときには、「『だれでも、どこでも』受診を可能とすることを基本としてきた国民皆保険の理念を自ら崩すことになる。結局は…弱者切り捨ての保険制度に道を開くことになってしまう」(九七年八月二十六日付)とのべていました。

 与党入りした公明党は、かつての主張を百八十度転換し、いまや財務省、厚労省の国民負担増路線のもっとも忠実な推進者になっています。


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