2003年8月25日(月)「しんぶん赤旗」
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諫早湾干拓工事の差し止めと開門調査の実施を求めて、「有明海・不知火海フォーラム」が二十四日、福岡県大牟田市で開かれ、千二百人が参加しました。
フォーラムでは、梅原猛・前日本ペンクラブの会長が特別講演しました。
梅原氏は、「有明の海は、日本に残された最後の宝石。その有明海の子宮ともいえる諫早湾を埋め立てるというのは、暴挙としかいいようがない」と告発。「恵みの海を取り戻すためには十年と続く長いたたかいを覚悟しなければいけないが、私もみなさんとともに、諫早を元の姿に戻すまでがんばります」と力強く訴え、会場は大きな拍手でこたえました。
よみがえれ有明訴訟弁護団の仁比聰平弁護士は、諫早湾干拓工事の差し止めを求める漁民と市民の団結した運動の経緯を報告。「水門を開けさせ(海水を導入させ)、有明海再生の道を全国民規模で考えなければならない瞬間が必ず来る」と話しました。
パネルディスカッションでは、韓国の市民活動家・漁民がセマングム干拓事業の防潮堤工事を仮処分で執行停止に追い込んだ運動を紹介。有明沿岸四県の漁民は、「ひん死の海」になっている現状などについて報告しました。
大牟田市から参加した根本佐智子さん(50)は、「将来を考えれば、工事を進めることよりも中長期の開門調査をすることが優先。失われた自然は、もう二度と元にはもどらないのですから」と話していました。