日本共産党

2003年8月23日(土)「しんぶん赤旗」

政府税調会長

政府に増税決断迫る

4、5年後実施へ 消費税、所得税とも


 政府税制調査会の石弘光会長(一橋大学長)は二十二日、熊本市で開いた対話集会で、税収の回復を図るため所得税、消費税双方の増税が必要と強調しました。その上で「早めに着手しなければ財政上の悪影響が国全体に及ぶ。二○○七、八年くらいに消費税も含めて行動を取れるか、ひとえに政治的判断だ」と述べ、政府として数年以内に増税を決断すべきだとの考えを示しました。

 消費税率に関しては、既に塩川正十郎財務相が早ければ○七年度にも引き上げる可能性に言及しています。石会長の発言は、消費税率上げに加え、所得税の各種控除見直しによる増税も早期実施を目指す考えを示したものです。

 税収の落ち込みは、法人税の相次ぐ減税と不況によって法人税収が大幅低下していることが主因です。すでに、消費税の税収が法人税の税収を上回っています。ところが、政府税調は六月に発表した「中期答申」でも、法人税率のさらなる引き下げを「検討すべき課題」とする一方、消費税率については「二桁(けた)の税率に引き上げる必要」があるとするなど、庶民増税の方向を強く打ち出していました。

 石会長はまた、集会後の記者会見で、消費税率引き上げに伴い軽減税率を導入する場合の対象範囲について、「食料品のほかにどの品目が入るのかという議論はしなければならない」と述べ、日用雑貨などへの適用も検討する方針を明らかにしました。


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