日本共産党

2003年8月23日(土)「しんぶん赤旗」

遠隔地への転籍なし
2割の賃下げを解消

リストラはね返した

自動車部品ボッシュの労働者


 「無法なリストラをはねかえした」。独ボッシュ・グループ傘下で自動車部品製造大手、ボッシュ・オートモーティブシステム(本社・東京都渋谷区)がすすめていた大「合理化」計画を職場を基礎にした労働者のたたかいと家族、地域の共同の力で押し返しました。賃金カットで生じた格差の解消、遠隔地への転籍をとりやめさせるなど、要求を前進させています。


 ボッシュは今年一月、東松山工場(埼玉県東松山市)の労働者約五百人をいったん退職させ、別会社の日立ユニシアオートモーティブへの転籍を命じました。転籍になると、賃金は二割前後も大幅カットされます。

 このうち二百人については、埼玉から四百キロも離れたユニシア秋田工場(秋田県横手市)に遠隔地配転を命令。「秋田にいけない者は希望退職に応じよ」「全員が転籍するまで何回も面談を行う」と脅し、転籍対象者に「転籍に関する同意書兼退職願」を一月中に提出するよう求めました。

 埼玉からの労働者を受け入れるユニシア秋田工場では、そこで働いている約四百人を全国へ配転する“玉突きリストラ”をねらっています。昨年夏には、第一陣の五十五人が選抜され、出向していた三十一人の労働者が東松山市に隣接する滑川町のユニシア滑川工場から、ユニシア秋田工場に配転されました。

 「いつ、自分に回ってくるか」。重苦しい雰囲気に包まれた職場はだれもが戦々恐々としていました。顔を合わすとリストラの話になりました。

 「バラバラにされると会社の思うままにされてしまう。仲間たちの声を聞いてみよう」。労働者数人が話し合い、職場の労働者と家族への訪問活動を開始しました。

 訪問先の労働者は喜び、本音で話しました。「遠隔地配転はいやだ」「転籍したくない」「転籍は認めても、賃下げはいや」「退職を迫られ、ほとほと困っている」「おれは会社に辞めさせられた」「玉突き配転で労働者いじめに加担したくない」「出向先から早く職場に戻りたい」…。


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