2003年8月19日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の不破哲三議長を講師とする学習会「『ゴータ綱領批判』の読み方−マルクス・エンゲルスの未来社会論−」が十八日夕、党本部で開かれました。マルクスの「ゴータ綱領批判」にもとづくものとされてきた未来社会論−−社会主義、共産主義の二段階発展論の根本的な見直しの問題を理論的・歴史的に深く掘り下げ、今後の綱領改定案の討議の力にすることを目的にしたもの。党中央役員、勤務員、国会議員、都委員会勤務員ら約四百人が熱心に聞き入りました。
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不破議長は、七中総で提起した「ゴータ綱領批判」にもとづく二段階発展論の見直しについて、「七中総では、報告という性格から、文献にそっての解明まではできなかった。九十年近くにわたり続いてきた教科書的な“定式”を見直す問題であり、きょうは、マルクス、エンゲルスの文献に沿ってより立ち入って話したい」とのべました。
そのうえで、(1)未来社会を論じるマルクス、エンゲルスの基本姿勢(2)国際的な“定説”となってきた二段階発展論はどのようにして生まれ、どんな問題があるのかの二つのテーマで報告しました。講義の骨子は別項のとおりです。
不破議長は、最後に、マルクス、エンゲルスの本来の立場に立ち、現代的な条件をふまえた形で未来社会論を展開したのが綱領改定案第五章だとのべ、そういう目で改定案を読んでほしいと報告を結びました。
講義の全体は『前衛』十月号に発表される予定です。
(I)未来社会を論じるマルクス、エンゲルスの基本姿勢
(一)「科学の目」で未来社会をとらえるとは?
科学的社会主義と空想的社会主義の決定的な違い
青写真主義をいましめるいくつかの文章
分配問題でも原則的立場は同じ
(二)「ゴータ綱領批判」の読み方
「ゴータ綱領批判」をめぐる疑問
「ゴータ綱領批判」とは内部的な忠告の書だった
分配論の主題−−ラサール主義の命題の持ち込み批判
読み過ごされてきたマルクスの注意書き
国家の問題
(三)未来社会論と綱領問題
フランス労働党の綱領前文の起草(一八八〇年)
ドイツ社会民主党のエルフルト綱領制定(一八九一年)
(II)国際的“定説”はどのようにして形成されたか
(一)『国家と革命』でのレーニンの「ゴータ綱領批判」論
レーニン流解釈の大きな問題点
(二)スターリンの二段階論
(III)この面での綱領改定案の意義