2003年8月12日(火)「しんぶん赤旗」
中国の李肇星外相が十一日、日本共産党本部を訪問し、不破哲三議長らと会談しました。
不破議長は、党創立八十周年にあたる昨年七月に第一期棟が竣工(しゅんこう)した新本部ビルに中国の公式な代表団を迎えるのは李肇星外相ら一行が初めてだ、とのべ歓迎を表明しました。
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李外相は、昨年八月の不破議長の訪中にふれつつ、世界の覇権主義に新たな動きがみられると指摘。日本共産党については、「覇権主義に反対するたたかいで大変な戦闘力を発揮してきた党であり、人心を得ている」と発言。さらに、日本共産党が日中両国関係の発展で果たしている役割、とくに台湾問題、歴史問題で明確な態度をとっていることについて、「高く評価している」とのべました。
また、李外相は、中国共産党が民衆との結びつきを強めることによって、新型肺炎(SARS)とのたたかいで勝利を収めたと発言。大衆的な運動などについては、日本共産党の経験からも学んでいきたいとの考えを示しました。
不破議長は、覇権主義とのたたかいに関連して、国連憲章にもとづく世界の平和秩序を守ることの重要性に言及。この点は、第二十三回党大会で予定している綱領改定のなかでも国際課題の第一にあげている、と強調しました。昨年八月の江沢民総書記(当時)との会談ではイラク戦争反対で合意したことを想起し、その後、日本共産党はそういう立場で、中東・イスラム諸国に代表団を送るなど、外交努力を展開しているが、この点で中国が国連などの国際舞台で共通の立場で大きな役割を果たしてきたことは、わが党にとって頼もしいことだったとのべました。
北朝鮮問題について不破議長は、「この問題は中国の平和と安定にとっても重要だが、日本の平和にとっても重要な問題だ」と発言。北朝鮮が安定した形で国際社会にきちんと復帰するためには、北朝鮮自身がいくつかの難関を克服する必要があるが、そのために中国も適切な役割を果たすことを希望しているとのべました。
また、不破議長は、「本日は時間の関係でこれ以上立ち入った話はできない」とのべつつ、十三日から緒方靖夫国際局長を団長とする代表団を中国に派遣することを紹介。さらなる議論については、代表団と中国外務省、中国共産党中央対外連絡部とのあいだでおこなうことにしたいとのべました。
日本共産党からは、志位和夫委員長、市田忠義書記局長、大幡基夫書記局次長、緒方靖夫・西口光両国際局長、山口富男政策委員長代理、森原公敏国際局次長らが、中国側からは、武大偉駐日大使、傅瑩・中国外務省アジア局長、張昆生外相秘書官、欧渤〓(くさかんむりに千)外務省報道局参事官、劉少賓外務省アジア局参事官、宋炳林外務省儀典局課長らが同席しました。
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不破議長は、会談後の記者会見で、会談の状況を紹介しました。そのさい「不破議長自身の訪中についての招請がなかったか」との質問にこたえて、すでにその招請をうけていることを次のように明らかにしました。
「先日のチュニジア訪問のさい、中国共産党代表団と会談をおこなった。そのなかで、中国共産党中央委員会から、私の“新たな訪中”の招請をうけた。具体化については検討しているところだ」
日本共産党の緒方靖夫国際局長・参議院議員を団長とする代表団が、中国共産党中央対外連絡部の招待を受けて、八月十三日から中国を訪問します。
代表団の構成は次のとおりです。
(団長)
緒方靖夫 党常任幹部会委員、国際局長、参議院議員
(団員)
森原公敏 党幹部会委員、書記局員、国際局次長
(随員・通訳)
林信誠 党国際局員