日本共産党

2003年8月7日(木)「しんぶん赤旗」

自殺の課長、労災認定

町長命令の文書偽造に悩む

岡山・大原


 岡山県大原町の企画開発課長だった河副美和(かわぞえ・よしかず)さん(当時四十四歳)が一九九九年十月、役場内で自殺していたことをめぐり、妻の佳代子さん(46)が、夫の死は過労によるものだと請求していた公務災害の申請で、地方公務員災害補償基金岡山県支部審査会(的場真介会長)が、公務上の過労自殺と認める裁決をおこなっていたことが、六日までに明らかになりました。

 河副さんは当時、武蔵武道館やクアガーデンの建設など総額七十億円の大規模プロジェクトなど担当する激務に従事。そのうえ当時の町長から、入札手続きなしに工事を発注した違法を隠ぺいするため、命じられておこなった文書偽造が議会で追及され刑事事件にもなり、心労のあげく自殺したものです。

 審査会は、美和さんが「上司の違法な職務命令に従属的な立場で従わざるを得なかったという個別の事情が認められ、個人的な利得を得てはない」とし、こうした支配従属関係下での業務による疾病で死亡した場合、公務災害として救済されて当然と判断しました。

 佳代子さんの代理人の清水善朗弁護士は、「裁決は実態に即した妥当な判断」とコメントを発表しました。

 妻の佳代子さんの話 夫が仕事で、死に追い込まれたことが明らかになり、胸のつかえがおりた。(違法なことを強要され死に至るという)こういう人を二度とださない、こういう悲劇を二度と繰り返させたくありません。


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