日本共産党

2003年8月2日(土)「しんぶん赤旗」

勤労者所得落込みが消費直撃

家計調査で鮮明


 国内需要の中心である家計消費が低迷したままで、経済・景気の足元も、先行きもおぼつかない状況がつづいています。その要因として、勤労者の所得の大幅な落ち込みや社会保障関係など家計への負担増のあることが、家計調査(総務省)の結果からも浮き上がってきます。

実収入 世帯主や配偶者も減

 六月の勤労者世帯の家計調査(七月二十九日発表)によると、実収入は物価変動分を除いた実質で前年の六月に比べ1・4%減っています。四─六月期でみてみると、前年同期比2・1%減。世帯主の定期収入や「臨時収入・賞与」も、配偶者や他の世帯員の収入も減少しているのが特徴です。

 それに収入減が長期にわたって家計を圧迫していることも特記に値します。月単位では二〇〇二年四月以降十五カ月連続で実質減。四半期では〇二年四─六月期以降五期つづけてマイナスになっています。

 〇一年四月下旬からはじまった小泉内閣の二年間でみてみるとどうなるか───。

 〇二年度の実収入(月平均)から二〇〇〇年度の実収入(同)を差し引いて年度ベースに計算しなおすと、減少額は三十二万五千八百七十二円。これは今年六月の勤労者世帯の消費支出(三十一万二千八十一円)を上回っています。

 国民のくらしを破壊する小泉「構造改革」政治のもとで、家計が一カ月間に消費する額に相当する収入がまるまる減ってしまった──。これでは家計消費が冷え込むのも当然です。

負担増 増えた診療代の支出

 六月の勤労者世帯の消費支出は実質で前年同月比0・4%増と九カ月ぶりにプラスになりました。

 保健医療、交通・通信、教養・娯楽などの実質増加によるものとみられます。

 このうち、保健医療をみると、金額的に五割以上を占める保健医療サービスが同14・8%増となっています。これは診療代などのこと。四月から実施された健康保険の本人三割負担への負担増の影響が読みとれます。

 実質増減率にどれだけ影響を与えたかを示す寄与度では、保健医療サービスを中心とした保健医療は0・47%。

 家計にのしかかる負担増が消費支出増に一役買っていることをうかがわせます。

節約 食費にまでおよぶ

 実収入が減れば、収入から税や社会保険負担を除いた可処分所得も減少することになります。六月は同4・4%減で、実収入の減少幅を大きく上回っています。小泉内閣の二年間でみると、年度ベースで約三十万円(二十九万五千三百三十二円)にのぼります。

 収入が減っても、ただちに生活水準を落とすことはできないので、消費支出もすぐには減らないといわれます。

 しかし、勤労者世帯の支出の内容を四半期別にみると、食料が昨年の十─十二月期(前年同期比1・5%減)から実質マイナスとなり、今年の四─六月期まで三・四半期連続で減少しています。削りにくい食費にまで節約がおよんできたことがみてとれます。食費、家賃、光熱費などで構成される「基礎的支出」も、昨年十─十二月期から実質マイナスになっています。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp