2003年8月2日(土)「しんぶん赤旗」
ネスレコンフェクショナリー(本社・神戸市)が販売するチョコレート菓子「キットカット」の販売促進員として働いていた関西の女性八人が、雇用期間途中にもかかわらず突然解雇されたとして一日、大阪地裁に従業員としての地位確認と賃金・賞与の支払いを求める訴訟を起こしました。
提訴したのは、東桂子さんら三十六歳から五十四歳の契約社員。関西各地のスーパーなどを巡回し、棚の位置の確認や賞味期限の点検、キャンペーン用の資材納入などを担当していました。ところが五月二十八日、会社は突然、六月末での雇用契約解除と、下請け会社との個人請負契約を通告してきたのです。
「大の男が『明日から来るな』といわれる世の中だ。次の仕事があるだけでもありがたいと思ってほしい」。営業部長のこの言葉への怒りが、八人の心を一つにしました。
その中に、自分たちと同じような仕打ちにあい裁判に訴えた労働者のことを報じた「しんぶん赤旗」の記事を読んだ人がおり、つてを頼って全労連などに相談、今回の訴訟に発展しました。
訴訟代理人の鎌田幸夫弁護士は「正社員はパート、パートは下請け化され、会社に文句が言えなくなる状況が全国で進んでいる。企業の乱暴なやり方に異議を申し立てたい」と訴訟の意義を語りました。