日本共産党

2003年8月1日(金)「しんぶん赤旗」

安心の医療、ゆきとどいた看護実現へ

日本医労連大会が始まる


 わが国ただ一つの医療分野の産業別組織である日本医療労働組合連合会(日本医労連、田中千恵子委員長)は三十一日、第五十三回定期大会を三重県鳥羽市内で開きました。三日間の日程です。

 医療をめぐっては、国立・公立など公的病院の統廃合や縮小、医師・看護師の派遣全面解禁への動きなど、小泉内閣による「規制緩和」攻撃が集中しています。

 田中千恵子委員長は、「命を救う医療労働者として、命を削る医療や社会保障改悪とたたかい、無責任答弁を繰り返して戦争への道をすすむ小泉内閣と対決しよう」と訴えました。

 運動方針案を提案した前川昌人書記長は、こうした動きは、医療分野への株式会社の参入解禁をにらんで、資本が医療で金もうけできるようにするための地ならしとして見る必要がある、と強調しました。

 運動方針案では、重点課題の第一に、社会的問題となっている医療事故をなくし安心の医療とゆきとどいた看護を実現することを掲げました。

 ほとんどの看護職員が疲れ、五人に一人が健康不安で、四人に一人が医療事故を心配しながら働いている、という春闘アンケートの結果も示し、看護職員の大幅増員がどうしても必要と強調。具体的な運動として、痛切な看護現場の思いをメッセージ集にして地域の国民に広くアピールすることをよびかけています。

 第二の重点課題として、全分野にわたる状態悪化を改善し、労働者の生活と権利を守るために、労働組合としての社会的な役割を果たすことをあげています。来年四月に全国の大半の国立病院・療養所が独立行政法人に移行することが決まったことから、現在そこで働いている七千五百人の定員外非常勤職員(賃金職員)が雇い止めの危険にさらされていることを重視し、雇用確保に総力をあげてとりくむとしています。

 第三の重点課題として力強く大きな産別組織をつくり、「“いのちを削る”こんな日本でいいはずがない」との対話をすすめ共同を広げることを提起しています。

 医療労働者、医療関係者、患者・住民が一体となった「医療を考える会」など地域医療を守る組織を各地につくり、実態調査や自治体交渉などをすすめるとしています。

 また、有事三法、イラク特措法が強行されたなか、憲法と平和を守る共同の推進、戦争に協力しない病院づくりにとりくむことを提起しています。

 全労連の熊谷金道議長、日本共産党の小沢和秋衆院議員が来賓としてあいさつし、活発な討論に入りました。


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