2003年7月31日(木)「しんぶん赤旗」
栃木県の福田昭夫知事は三十日、事業費三百十億円を予定していた県営東大芦川(ひがしおおあしかわ)ダムの建設中止を発表しました。同知事は「河川改修で治水効果が図られる。利水などの確保は国営の南摩ダムで対応する」と中止の理由を説明しました。
県の代替案は、七十億円かけて三段階の河川改修を実施、鹿沼市への水は南摩ダムから供給するなどとしています。
県はこれまで、大規模な降雨災害に対応する治水や、建設予定地の鹿沼市の水需要の増大などをダム建設の理由にしてきました。これにたいし県が諮問した「大芦川流域検討協議会」は五月二十五日にダムは必要ないと答申していました。
地元住民と日本共産党は調査に着手した一九七三年から三十年間、建設反対運動を展開。党栃木県委員会は「建設の根拠がない。無駄な公共事業をやめ、福祉予算に回すべきだ」として県議会で中止を求めるとともに、ダム反対鹿沼市民協議会など広範な団体、市民と協力を広げてきました。
野村せつ子党県副委員長(参院栃木選挙区候補)の話 県民運動と共産党のたたかいで、無駄なダム建設をストップさせた意義は大きい。しかし、東大芦川ダムと連動して取水するとした南摩ダムには水が十分貯まらず、代替案は成り立たない。二つのダムを造る思川開発事業そのものを中止すべきだ。