日本共産党

2003年7月21日(月)「しんぶん赤旗」

“夏闘”韓国労組

最大要求は週休2日

産別交渉の合意弾み

現代自動車では波状スト


 韓国で労資の賃金・労使協定交渉が集中する“夏闘”がヤマ場を迎えています。今年、労組の最大要求に浮上しているのが週休二日制の導入。全国民主労働組合総連盟(民主労総=約六十万人)傘下の全国金属労組連盟(金属労連)が十五日、韓国で初めての産別労使交渉で週休二日制の早期導入に合意したことが、運動に弾みをつけています。

 韓国の労働者の年間労働時間は、経済協力開発機構(OECD)の統計で二千四百七十四時間。ドイツの千四百八十時間などと比べると、飛び抜けた長時間労働です。週あたりの法定労働時間も四十四時間で、多くの国が四十時間であるのに比べ、労働時間短縮の法制化が遅れています。

 韓国政府は昨年十月、週休二日制の促進を目的にした労働法改定案を国会に提出しました。週あたり労働時間を四十時間に短縮。付則で実施時期を、三百人以上の事業所は二〇〇三年七月、百人以上は〇五年七月などと規模別に定め、最終的に二〇一〇年までに全事業所に拡大するとしています。

 一方で、政府案は“労働時間の短縮は事実上の賃上げにつながり経営を圧迫する”という財界の主張に配慮し、▽生理休暇の無給化▽月一日の有給休暇の廃止▽変形労働時間の適用期間を一カ月から三カ月に拡大―なども法案に盛り込みました。

 さらに、週休二日制の導入で増える休日を無給休暇にできる条文のため、同制度導入で賃金が切り下げられる余地を残しました。

 このため、二大労組の韓国労働組合総連盟(韓国労総=約九十五万人)と民主労総が政府案を強く批判。「労働条件の悪化のない週休二日制実現」を主張し、政府案の修正を求めています。

 こうしたなか、金属労連は傘下の中小企業労組の週休二日制を早期に実現するために、経営側に産別交渉を求めました。経営側の代表者が百社の経営者から委任状をとって交渉に臨み、十五日に合意に達しました。賃金削減なしに今年中に週休二日制を導入するという合意は、他の労組を大いに鼓舞しました。

 韓国経営者総協会が「まだ週休二日制が法制化されていない状況で、中小企業がこれを最初に導入することは非常に性急で危険な判断だ」と批判に回る一方、各労組は、週休二日制の導入を最大要求として掲げる動きを見せています。

 企業内労組としては韓国最大の現代自動車労組(約三万八千九百人=民主労総加盟)は十八日に一日ストを展開。二十一日から各地の工場別に、時限ストを波状的に繰り広げる予定です。民主労総は二十三、二十四の両日、法案阻止を掲げた全国ストを計画。韓国労総も、国会が政府案を可決すれば全国ストに突入すると宣言しています。

 (面川誠記者)


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