2003年7月19日(土)「しんぶん赤旗」
リストラと小泉内閣の「構造改革」によって最悪の雇用・失業情勢が続くなか、全労連(全国労働組合総連合)は十八日、東京・全労連会館で「雇用・反失業闘争全国交流集会」を開きました。二日間の日程。
集会は、雇用・失業情勢を明らかにし、自治体での雇用・失業対策を強化するとりくみ、労働者派遣、有期雇用の拡大など労働法制改悪にともなう職場、地域でのたたかいの交流が目的です。約百人が参加しました。
坂内三夫事務局長が主催者あいさつ。全国至るところで倒産、解雇、失業、自殺が増加し、かつて掲げた“戦争と失業、貧乏に反対しよう”のスローガンがぴったりの状況になっていると指摘。八十一億円ものサービス残業代の支払いや緊急地域雇用特別交付金事業の継続などこの間の運動の成果を紹介し、反失業・雇用闘争を前進させようと訴えました。全労連や日本共産党など五団体がよびかけた「リストラ反対、雇用と地域経済を守る全国交流集会」につなげようとのべました。
寺間誠治総合労働局長の問題提起に続いて、五人の代表が特別報告しました。
日本医労連は、国立病院・療養所の独立行政法人化に伴い、採算性と経営「効率」が徹底して要求され、定員外の賃金職員の雇い止めが大問題になっていると発言。雇用継続を求める百万人署名や宣伝、地方議会要請を強化し、はねかえしていくと話しました。
北海道労連の代表は、建設現場などで働く十六万人の季節労働者が冬場に失業にさらされる問題に言及。来春で期限切れとなる「冬期技能講習助成給付金制度」「冬期雇用安定奨励金制度」など国の制度を存続させ、失業者対策を抜本的に拡充するため、道民との共同を広げ、大闘争を展開していくと表明しました。
田中県政で予算編成が大きく変わったとのべたのは長野県労連の代表。ダム建設の中止・見直しや大型開発の公共事業費の削減をすすめる一方、福祉、医療、環境、教育に重点を置いた事業、四年間で二万人の常勤雇用の創出をめざす計画を推進していると発言。県行政の対応の変化をとらえた提案型の運動をすすめたいと語りました。
建交労代表は、青年・高齢者の公的就労制度や交付金事業の継続・制度化をめざす運動を報告。失業者アンケートや実態調査、失業者ネットワークづくりの推進で就労要求を実現し、政府・自治体に公的就労制度をつくらせる運動を盛り上げていくとのべました。
全労働省労働組合は、政府の雇用政策の特徴と問題点について発言しました。「若者自立・挑戦プラン」が、もう仕事がないから、自分で仕事を始めなさいというプランだと批判し、職業経験もない若者が起業してうまくいくことはむずかしく、失敗後の再就職も困難になると強調しました。