2003年7月11日(金)「しんぶん赤旗」
防衛庁は、イラク特措法案が成立した場合にイラクへ派遣される自衛隊員が死亡した事態を想定し、死亡時の特別功労金の金額を増額する方針を決めました。同庁の宇田川新一人事教育局長が11日の自民党総務会で説明する予定です。
自衛隊員が海外へ派兵され死亡した場合、現行では国家公務員退職手当、公務災害補償(危険分野は五割増し)のほか防衛庁の賞じゅつ金に関する訓令(最高額6000万円)、閣議決定による特別ほう賞金(テロ対策関連業務に従事する者、最高額1000万円)の補償があります。
増額にあたっては法改正が必要なく訓令の改正、新たな閣議決定で措置できる賞じゅつ金、ほう賞金が対象。戦闘状態にある地域への派兵は戦後はじめてであり、派遣指名される隊員に辞退者がでることも予想され、自衛隊員の志気にもかかわるためです。
イラク特措法案が参院で審議中にもかかわらず、イラク派兵を前提にして防衛庁・自衛隊が補償問題まで踏み込む検討作業を進めていることは、法的にも根拠がなく、行政上も逸脱行為です。