2003年7月10日(木)「しんぶん赤旗」
国労(国鉄労働組合)は九日、十七年目を迎えたJR採用差別事件のすみやかな解決を求めて、各政党と全国会議員へ要請しました。日本共産党本部へは、田中浅雄副委員長、地方本部と闘争団の代表が訪れました。
日本共産党からは佐藤正之労働局長、米沢幸悦同次長が応対しました。
同事件で六月のILO(国際労働機関)理事会は、政府やJRなど関係当事者が「可能な限り多くの労働者に受け入れられる公正な解決を見出す努力を行う」「すでに死亡または退職年齢を過ぎた労働者数から見て、いよいよ緊急性を要する」との勧告を出しました。
国労側の要請は(1)政府が勧告を受け入れ、すみやかな解決をはかるよう要求する(2)「解決は緊急を要する」との指摘を真摯(しんし)に受けとめ、当事者が納得できる具体的な解決案を示すよう政府に働きかけてほしい―という内容です。田中氏らは、団員の二十六人が死亡し、平均年齢が五十一歳に達していることから、一刻も放置できないと強調。政府が責任を持って解決を実行するよう日本共産党や野党が役割を発揮してほしいと訴えました。
佐藤氏は、ILO勧告や労働者の運動で解決の新しい条件が広がっていると紹介。安全を脅かす「合理化」問題とも結んで、たたかいを発展させていく重要性をのべ、党としても全力を尽くしたいと表明しました。