2003年7月7日(月)「しんぶん赤旗」
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全国の国発注港湾工事で、落札価格と予定価格がぴったり同じという落札率100%のケースが、この五年間に7・2%もあったことが、日本共産党の小沢和秋衆院議員の調べで明らかになりました。また、受注のゼネコンやマリコン(海洋土木会社)九社には計十六人の旧運輸官僚が天下りしていることも判明、入札をめぐる官業癒着の構造が浮き彫りになっています。
小沢議員が調べたのは、国土交通省の八つの地方整備局、北海道開発局、内閣府の沖縄総合事務局が、一九九七年度から二〇〇一年度の五年間(沖縄のみ〇二年度まで)に発注した港湾工事、計四千八百五十二件。
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官庁の決めた予定価格に対する落札額の割合を示す落札率100%の工事が三百四十七件(7・2%)もあり、落札率98%以上でみると、三千六百二十件(74・6%)にのぼり、じつに四分の三を占めています。(グラフ参照)
落札率96%未満はわずか三百四十七件(7・2%)にすぎません。長野県の公共工事入札等適正化委員会が、浅川ダムの落札率96%を「談合の結果」と認定したことに照らせば、「談合」が大部分のところでおこなわれている疑いを強くするものです。
一方、港湾工事を受注している間組、五洋建設、若築建設など、おもなゼネコン、マリコン九社の役員を有価証券報告書や国土交通省提出資料で調べてみると、旧運輸省の港湾建設局長、港湾局技術課長など計十六人が、代表取締役副社長、常務などとして天下りしていることがわかりました。業界団体の会長、専務理事も運輸官僚です。(表参照)
小沢議員は「長崎県内だけの国発注港湾工事の落札率を調べたところ、100%のものが十四件、9・9%もあることに驚き、予算委員会(二月十二日)で追及した。予定価格とまったく同じ金額で落札したものが、こんなにあることはありえないことだ。今回、全国の実態を調べてみたら改めて公共事業の浪費の構造が浮かび上がってきた。これらのゼネコン、マリコンは、自民党に巨額な献金をおこなっており、この政官業の癒着の構図にきびしいメスを入れる必要がある」と話しています。