2003年7月6日(日)「しんぶん赤旗」
株主・債権者保護の観点から定められた商法の原則を崩す「自社株取得」を取締役会の決議のみで行えるようにする商法改悪案が、四日の衆院本会議で可決されました。これは与党提出の議員立法で、法案審議は一日の法務委員会で行われ、日本共産党の木島日出夫議員が提出者に対し問題点を指摘、追及しました。
木島氏は、商法は資本充実の原則から、自社株の処分は自社株償却目的に限って認めていたにもかかわらず過去十年余にわたる改悪でどんどん緩和してきたと指摘。今回は株主総会の決議という制約をはずし、取締役会の決議のみでできるようにするもので、インサイダー取引を誘引するとんでもない改悪だときびしく批判しました。
提案者の塩崎恭久議員らは、「総会における特別決議を要する定款の変更が前提となるので株主無視といえない」などと弁明。
木島議員は、「一度定款変更してしまえば、あとは取締役会のみで決められる仕組みであり、株主、一般国民、投資家の目には見えなくなる」と批判しました。
証券取引等監視委員会の新原芳明事務局長は、過去三年間で、取締役の親族や会計士などによるインサイダー取引犯罪で有罪となったものが六件あることを認めました。
質疑終了後、討論が行われ、日本共産党の中林よし子議員が反対討論を行い、採決の結果、民主、共産、社民などが反対、自公保の与党と自由党などの賛成で可決されました。