2003年7月4日(金)「しんぶん赤旗」
石破茂防衛庁長官は三日、衆院イラク特別委員会で、イラク特措法案で派遣される自衛隊が、国や国に準ずる者による攻撃を受けた場合でも武器使用を容認する考えを示しました。日本共産党の赤嶺政賢議員の追及に答えたもの。
政府はこれまで「国ないし国に準ずる組織に対するもの(武器使用)は(憲法違反の)武力の行使になる」(一九九一年九月、工藤敦夫内閣法制局長官)としていました。石破長官の答弁は、こうした政府見解に反するものです。
政府は、イラク特措法案について自衛隊が「国または国に準ずる者による組織的計画的な攻撃」=「戦闘行為」の行われない「非戦闘地域」で活動するから、武力行使にはあたらないと説明しています。
石破長官は赤嶺氏の追及に、フセイン政権残存勢力が「国に準ずる者」にあたりうることを認めました。
赤嶺氏は、フセイン政権残存勢力による不意打ちの米軍攻撃が相次いでいることをあげ、自衛隊が「非戦闘地域」とみなしていても、こうした不意打ちの攻撃を受ける場合があることを指摘。この場合、組織的計画的な攻撃であるか否かの判断が実際には不可能であるにもかかわらず、自衛隊に武器使用が認められている問題を追及しました。
石破長官は「相手が国または国に準ずる者であろうがなかろうが、正当防衛に限っての武器使用だ」と答弁。赤嶺氏は、政府の立場からいっても、「イラクに自衛隊がいけば、武力行使につながる事態に巻きこまれる」と批判しました。