2003年7月3日(木)「しんぶん赤旗」
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与党が衆院でイラクに自衛隊を派兵する特措法案を採決しようとしている緊迫した情勢のなか、同法案の廃案を求める各団体は二日、議員要請や委員会の傍聴、院内集会など終日、行動しました。
「イラク派兵が強行されそうや。情勢が大変なんや」と兵庫県内から六人の新日本婦人の会の会員がかけつけるなど、百五十人が衆院議員面会所で要請行動をおこないました。国民大運動実行委員会、中央社会保障推進協議会、有事法制連絡センターが主催したもの。
日本共産党の春名真章衆院議員が、イラクでの自衛隊の活動が占領軍「治安・軍事」部隊への支援であることが国会審議で浮き彫りになっていることなどを報告し、「必ず廃案に」と呼びかけました。
議員面会所での要請行動のあと、東京土建や女性の憲法年連絡会など各団体ごとにわかれ、議員要請をくりひろげました。
参院議員会館で開かれた女性の憲法年連絡会の集会には、日本共産党の衆・参議員七人のほか、社民党、無所属の議員も激励にかけつけ、エールを交換しました。
連絡会事務局の守谷武子・婦団連会長は、イラクに自衛隊を派兵する法案の危険性を指摘。平和の活動にとりくんできた連絡会としてたたかいの正念場を迎えている、と強調しました。街頭での宣伝に踏み出すと、大きな反響がよせられるなどの発言がありました。
二日、イラク派兵法案反対緊急大集会に先立ち国会要請行動をした人たちに思いを聞きました。
介護の仕事をしている山梨・韮崎市の山主幸子さん(24) 日本はアメリカの協力ばかりしているけど、もっと違うやり方があるんじゃないか、と思います。それに、日本は戦争をしないと決めたのに、イラクに自衛隊を出したら戦争に協力するのと一緒です。これを許したら、いつのまにか自衛隊の役割が拡大されて、知らないうちに自衛隊じゃなくなっちゃうかもしれません。それはイヤです。
兵庫県姫路市から国会にかけつけた新日本婦人の会、藤本小夜子さん(61) 有事法制に反対して、地域の連絡会で毎週水曜日に宣伝を続けてきました。
イラクへの自衛隊派兵は、国民のだれもがおかしいと思っているのではないですか。政府もそれをわからないはずはないと思うのですが。憲法第九条を踏みにじって人殺しの手伝いに自衛隊を派兵するのを、どうしてもくいとめたいと思います。
戦争法反対宮城県連絡会の矢部真理さん(24)=民青同盟宮城県委員長= 毎週木曜日に仙台市の繁華街でイラク特別措置法案に反対する宣伝を続けています。
十一日には県民集会も開く予定です。
イラク特措法案は、イラク国民の気持ちを踏みにじるものだと思います。必要なのは、医療や生活物資であって、自衛隊ではありません。
さらに、自衛隊を海外に出すことで、平和憲法を変える道を開こうという議論さえあります。
日本国民、世界の人々の命をばかにしています。許せない、という気持ちを大きくしていきたい。
さいたま市から参加した林金重さん(80) 自衛隊をイラクにやってしまったら戦闘にまきこまれるのは分かりきっている。なんとしても止めたい。
私は戦時中、兵隊でした。私たちの部隊は台湾で待機していました。自給自足が求められ、芋掘りや開墾ばかりしていました。地元の畑をあらして泥棒もしました。迷惑をかけた、と今でもほぞをかむ思いです。幸いにして生き残り帰る途中、前を走っていた船が潜水艦の魚雷で撃沈されるのを目の当たりにし、死の恐怖を感じました。
軍隊、戦争のウソとみにくさを知るからこそ、悔しい思いを繰り返したくないのです。