日本共産党

2003年7月1日(火)「しんぶん赤旗」

解雇撤回 勝った


全労組員懲戒は無効

埼玉の自動車教習所

 埼玉県所沢市の所沢中央自動車教習所で、教習指導員二十三人全員が解雇された事件で、さいたま地裁川越支部(小宮山茂樹裁判長)は六月三十日、労働者全面勝訴の判決を出しました。小宮山裁判長は「懲戒解雇処分は無効で、従業員としての労働契約上の地位を保有している」として、二〇〇〇年十二月以降の未払い賃金の支払いを命じました。

 事件は、所沢中央自動車教習所の買収に絡み、買い主である勝英自動車学校(本社・岡山市)の吉村武司社長が労働組合を敵視。〇〇年十一月に組合員全員を解雇通告したのにたいし、〇一年五月、提訴していました。

 判決は(1)吉村社長は当時、経営権譲渡契約によって教習所の経営権を包括的に委任されていただけで、その契約が解除されたと認められる以上、解雇権限はない(2)懲戒解雇を相当とするだけの解雇事由は認められないとのべました。

 所沢中央支部埼玉支援共闘会議(森研一議長)は同日、組合員全員をただちに職場に戻し、吉村社長は不当解雇を謝罪し、すべての未払い賃金を支払うよう求める声明を発表しました。

 自交総連・東京自動車教習所労働組合所沢中央自動車教習所支部の原田光幸支部長(41)の話 裁判所が不当な解雇だと認めたことは大きな成果です。教習生に法律を教える立場にある教習所の経営者は、判決を正面から受け止め、ただちに組合員全員を職場に戻すよう求めます。

リストラの嵐のなか

京都のイマジカ子会社

 京都機械の機械設計労働者だった向井忠夫さん(56)が、京都エステート(京都機械を改称、不動産部門のみの会社、本社・東京都品川区)を相手取り、解雇の撤回を求めていた裁判で六月三十日、京都地裁(浅田秀俊裁判長)は向井さんの労働者としての地位を確認する全面勝利の判決を言い渡しました。

 同社は映像処理大手「イマジカ」が親会社。〇一年九月、機械部門を不採算部門として、京都府三和町に設立した新京都機械に譲渡。向井さんは新会社での採用を求めましたが、拒否され、京都エステートに雇用の継続を通告しました。同社は二カ月間は賃金を支払いましたが、十一月に「やってもらう仕事がない」「業績が悪い」として向井さんを解雇しました。

 判決では人員削減の必要性については会社側の主張を認めましたが、イマジカ・グループを含めた解雇回避努力が尽くされていないなどとして、解雇は権利の乱用で無効だと判断、解雇後の賃金の支払いを命じました。

 判決直後の報告集会で森川明弁護士は「百パーセントの勝利」とのべ、「職場復帰への裏付けになり、労働法制改悪やリストラへの批判となるもの」と意義を語りました。

 向井さんは「リストラの嵐の中、貴重な判決です。職場に戻るまでがんばりたい」とたたかう決意を語りました。


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