2003年7月1日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の市田忠義書記局長は三十日、国会内で記者会見し、六月十三日から二十一日までの日程で派遣した日本共産党イラク調査団の調査報告書を発表しました。会見には、緒方靖夫調査団長(参院議員)が同席しました。
市田氏は、報告書の結論を三点にわたって紹介しました。第一点は、人道復興支援では「巨大な規模の支援」を必要としているということです。
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市田氏は、「電力供給、飲料水、衛生、医療、教育、食料、雇用などの分野で、イラク国民の持っている能力を活用・組織する方向での専門技能・知識を伴う援助が求められている」と指摘。こうした援助の中心を担えるのは国連であり、「国連の活動でこそ国民のなかに入った援助が可能になる」と強調し、「外国軍ではそのような活動はできない」とのべました。
第二点として、イラク国民の安全確保問題では、占領軍がその責任を果たすことは当然だが、その他の外国軍の役割は期待されていないということです。
市田氏は、「治安活動をすすめている占領軍への協力という場合は、現情勢下でイラク国民の不満と反感をかうようになっている占領軍と一体視されることとなり、危険だ」とのべました。
さらに、イラクでの治安回復が第一の課題となっているとして、「そのためにイラク人による警察機構を組織するための援助が求められている」と指摘。占領軍当局の広報官が「軍事作戦は全土で続けられている」と調査団にのべたことを紹介し、「イラク国内を戦闘地域と非戦闘地域に明確に区分することはできない。確実に安全と言える地域はない」とのべました。
第三点は、イラク人道復興支援でも安全確保支援でも、自衛隊を派遣する必要性はないということです。市田氏は、「自衛隊が派遣されるなら、今後の日本の支援活動に困難をもたらし、イラクや中東での日本の政治的、外交的な立場を損ないかねない」とのべました。
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