2003年6月28日(土)「しんぶん赤旗」
総務省が二十七日発表した労働力調査によると、五月の完全失業率(季節調整値)は5・4%で前月、前々月と同水準でした。完全失業者数も一年前と同じ三百七十五万人で、雇用情勢は厳しい状態が続いています。ただ、就業者数は二〇〇一年三月以来二十六カ月ぶりに増加しました。
完全失業率は男女とも前月と同じで男性5・6%、女性5・1%。完全失業者数は男性が前年同月より二万人増加して二百二十七万人、女性は三万人減少の百四十八万人でした。
年齢別では依然として十五─二十四歳の若年層の失業率が高く、男性は12・3%、女性は9・8%。学校を卒業しても就職できていない「学卒未就職者」は同二万人増加の二十六万人でした。
就業者数は六千三百六十万人で前年同月より四万人増加しました。このうち雇用者は五千三百五十一万人で同三十一万人増加です。ただ、自営業主・家族従業者は同二十一万人減の九百八十六万人で、四十カ月連続で減少が続いています。
小泉内閣は発足直後の〇一年六月に決めた「骨太の方針」第一弾から「五百三十万人雇用創出」を掲げていますが、完全失業率は同年七月以降5・0%─5・5%の高水準で、いっこうに改善していません。五月の就業者数増加についても総務省は「しばらく様子を見る必要がある」と懐疑的です。