2003年6月25日(水)「しんぶん赤旗」
衆院沖縄・北方特別委員会は二十四日、沖縄県で多発する米兵の犯罪問題で集中審議を行いました。日本共産党からは赤嶺政賢議員が質問に立ち、犯罪を犯した米兵保護の立場に立った日米地位協定について、政府の見解をただしました。
赤嶺氏は、日米地位協定十七条五項(a)で、米軍犯罪者の日本側への引き渡しについて「相互に援助」すると規定している一方、同項(c)では、「公訴が提起されるまでの間(身柄拘禁は)合衆国が引き続き行う」との矛盾した規定があると指摘。外務省が沖縄当局側に提示した文書では、(c)が入ったのは「米国との政治的妥協の産物」であると説明していることを示しました。
海老原紳北米局長は(c)が入った理由について、「NATO(北大西洋条約機構)でも同様の規定があった」とのべるにとどまり、川口順子外相は、(c)が入った経緯について「存じていない」と答弁し、無責任な姿勢に終始しました。
さらに赤嶺氏は、米側が拘禁した殺人・強かん被疑者の移転について「好意的考慮を払う」とされる日米合意に関連し、「米側が拒否した場合、再度要請できるのか」と質問しました。海老原局長は「理論的に可能だが、実際は行われていない」と答弁しました。
赤嶺氏は、政府は米兵の綱紀粛正や日米地位協定の運用改善について言及するものの、政府の立場は「徹頭徹尾、米兵保護の立場に立つものだ」と指摘し、「これでは米兵犯罪の根絶はできない」と厳しく批判しました。