日本共産党

2003年6月23日(月)「しんぶん赤旗」

アフガン安定「程遠い」

米有力シンクタンク 戦争失敗、事実上認める


 米国の有力シンクタンクである外交問題評議会とアジア協会はこのほど、米国によるアフガニスタン戦争が事実上失敗したと認める報告書を発表しました。難航するイラク占領作戦の今後を占う上でも注目されます。「アフガニスタン―われわれは平和を失いつつあるか?」と題された報告は、ワイズナー元国防次官・インド駐在大使やプラット元パキスタン駐在大使ら六十四人の専門家からなる委員会がまとめました。

 報告は、二〇〇一年十二月に対テロ戦争を看板とした米軍の攻撃でアフガンのタリバン政権が崩壊してから一年七カ月たつが、軍事・政治・経済のどれをみても、「安定した自治的国家をつくり、アフガンをテロリストの天国とならない国にする」との米国のアフガン戦争の目標は「依然として達成には程遠い」と指摘しています。

 報告は、世界がアフガニスタンでの事態を「米国の戦争」だと考えていると指摘。ブッシュ政権が国際社会を巻き込んだ抜本的なアフガン支援強化策をとらなければ、対テロ戦争での「米国の信用はがた落ちだ」と警告しています。

 しかしブッシュ政権はフセイン政権打倒後のイラク占領に手を焼き、「戦闘終結」宣言後も当初予定の二倍の十四万人もの米軍をイラクに展開。他国の軍事支援取り付けに躍起で、アフガン・カルザイ政権の支援強化までは手が回らないのが実情です。「帝国が手を広げすぎて起きる矛盾の典型だ」との指摘も米国内で出ています。


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