2003年6月21日(土)「しんぶん赤旗」
ジュネーブで開かれているILO(国際労働機関)理事会は二十日、日本の公務員制度「改革」について、公務員の基本的権利への制約を維持する意図を再考するようあらためて強く要請するとの結社の自由委員会の勧告を採択しました。
勧告は、昨年十一月に「公務員労働者に労働基本権を付与すべきだ」として、日本政府がすすめようとしている「公務員制度改革大綱」を再考し、労働組合などとの「全面的で率直かつ意味のある交渉・協議」をおこなうよう求める勧告をだしたのに次ぐものです。
前回勧告にたいし、日本政府は、「わが国の実情を十分理解した判断とはいえず、承服しがたい」との見解を発表。人事院勧告はほぼ完全に実施されており、スト権を含む労働基本権を制約する代償措置は適切に機能しているとの「追加情報」をだしていましたが、今回の勧告によって却下された形となりました。
勧告では、結社の自由原則に合致した公務員制度改革と法改正の合意に達するよう努力することを求めています。消防職員、監獄職員に団結権を保障することや、公務員のストライキ権の付与などの問題が協議されるべきだとしています。日本政府が労働組合と意味のある対話をおこなうよう要請しています。