日本共産党

2003年6月16日(月)「しんぶん赤旗」

札幌市長再選挙での
中央選対局の責任について

党中央選対局長 大幡基夫


 (1)、五月二十五日告示、六月八日投票の札幌市長再選挙で、日本共産党北海道常任委員会は、告示後の五月三十日、党中央の助言もふまえて、党公認として擁立していた青山慶二候補の立候補をとりやめ、「オール与党」市政の継続を許さない立場から、自主投票にすることを発表しました。

 道常任委員会が告示後であっても、立候補をとりやめるという決断をしたことは、適切な判断だったと確信します。

 問題はこの決断が、告示前の時期にできなかったというところにありました。この点については、党中央の選対局にも重大な責任がありました。

 (2)、告示前の候補者擁立の検討過程で、道常任委員会が「党公認候補を擁立してたたかう」という方向で党中央に助言の要請をしてきたさい、中央選対局は「その方向ですすめてよい」という判断と対応をしました。

 政令市での初めての再選挙という新しい事態のもとで、再選挙の「決選投票」的性格と第一回投票の結果に示された有権者の意思を生かすという見地から、本来ならこの時点で、候補者を擁立しないことをふくめた深い検討と対応が必要でした。

 にもかかわらず、そのことを深くとらえず、集団的な検討に付さず、選対局だけの判断で対応したことが、こうした誤りにつながりました。中央選対局が、この時点で、適切な助言をおこなう責任を果たせなかったのは、大きな反省点です。

 (3)、その後、告示前後から党中央にも、道委員会にも、党公認候補を擁立したことへの批判の声が少なからずよせられました。そこで党中央として事態をあらためて掌握し、集団的な検討をおこない、五月二十八日に先に述べた立場から、告示後ではあっても、立候補をとりやめるべきではないかという助言を、道委員会にたいしておこないました。

 党中央の助言をふまえて、道常任委員会と札幌の地区委員長会議は、真剣な議論をおこない、「誤りがはっきりすれば、どんな困難があってもただちに正す」「党員、支持者に深くおわびして、市民の目線にたって誤った判断を是正する」という態度を決断しました。

 この是正をおこなわず、結果として「オール与党」市政の中心を担う自民党と公明党が推す候補者の当選を許していたら、第一回投票の結果を無視して突っ走ったとして、その責めをわが党がおわされることになったと思います。

 今回の再選挙にあたって、告示前の時点で、適切な助言をすることができず、その結果、有権者、党員、支持者のみなさんに、多大なご迷惑とご苦労をおかけしたことを、中央選対局の責任者として、おわびいたします。今回の失敗を痛恨の教訓として、二度とこうした誤りを生まないように全力をつくす決意です。


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