2003年6月14日(土)「しんぶん赤旗」
サラ金会社大手の「武富士」（本社・東京都新宿区）の元支店長ら二十四人が十三日、同社を相手に過去二年分の未払い残業代など総額四億六千六十万円の支払いを求める訴訟を、東京地裁（六人）、大阪地裁（五人）、仙台地裁（十人）、福岡地裁（三人）におこしました。
原告は北海道、東京、茨城、佐賀などに住む男女二十四人で、いずれも支店長経験者と従業員で、現在は同社を退職しています。
訴状では「上場企業であるにもかかわらず、従業員にたいしては、過大なノルマ、長時間のサービス残業、頻繁な降格人事、懲戒処分の乱発など社員に対して過度な締め付けを行っている」と指摘し、「恒常的に高額の残業代の未払いが発生している」とのべています。
同社支店での労働は、朝七時に出勤し駅前などでティッシュ配布、午前八時すぎから朝の請求業務が始まり、夜の八時五十分まで続きます。その後も業務が続き遅いときは午後十一時近くまで勤務することが常態になっていて、連日、四─五時間の時間外労働をしているといいます。
同社のサービス残業をめぐっては今年一月に厚生労働省大阪労働局が、労働基準法違反の疑いで本社など家宅捜索をおこないました。二月には大阪市の御木威（おんき・たけし）さんが起こした同様の裁判で、大阪地裁は請求額全額を武富士側が支払うという内容の和解が成立しています。
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