2003年6月14日(土)「しんぶん赤旗」
政府は十三日午後、安全保障会議と臨時閣議を相次いで開き、イラクを軍事占領する米英軍支援のため、自衛隊を派兵するイラク特別措置法案を決定、国会に提出しました。アフガニスタンを中心に対テロ作戦をおこなっている米軍などを支援するテロ対策特措法を二年延長する改悪案も決定し、国会に提出しました。
法案は、「安全確保支援活動」として、「国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援する」と規定。米英軍の軍事占領活動に対し、自衛隊が医療、輸送、保管、通信、建設、修理・整備、補給、消毒をおこなうとしています。
イラク国内の活動は、占領軍の同意があれば可能としています。
また、「人道復興支援活動」として、医療、被災民の帰還の援助、復旧のための輸送、通信、建設、補給などおこなうとしています。
自衛隊の活動は「戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」でおこなうとし、自衛官とその管理下の者を防衛するための武器使用を認めています。国会承認は「対応措置を開始した日から二十日以内に国会に付議」という事後承認。また四年間の時限立法としました。
当初案にあった大量破壊兵器などの処理支援活動については、自民党内から「まだ(大量破壊兵器が)発見されてもいないのに先走りして、自衛隊にやらせるのはいきすぎだ」などの異論が噴出、最終的に法案から削除されました。
同活動の削除について日本共産党の志位和夫委員長は同日の記者会見で、「政府も自民党も、(イラク戦争支持の口実にしていた)イラクの大量破壊兵器が見つかる保障がないことを認めた結果だ」と批判しました。