日本共産党

2003年6月13日(金)「しんぶん赤旗」

韓国のシベリア抑留者

初の集団提訴

日本政府に賠償請求


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東京地裁への提訴後、記者会見する韓国の シベリア抑留者ら=12日、東京地裁

 第二次大戦中に旧日本軍に強制的に徴兵・徴用された韓国の元軍人・軍属と遺族百六十四人が十二日、日本政府に謝罪と約十七億五千万円の賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こしました。うち三十一人は酷寒のシベリアに抑留された生存者と遺族。原告代理人によると、韓国のシベリア抑留者が補償を求めた集団訴訟を起こすのは初めて。

 今回の提訴は、在韓軍人軍属裁判の第二次訴訟としてとりくまれたもの。シベリア抑留者のほか、靖国神社への合祀(ごうし)取り消しや遺骨の調査・返還、徴兵・徴用に対する補償などを求めるさまざまな戦争被害者が原告となっています。

 旧ソ連によるシベリア抑留(旧日本軍関係で六十数万人)は、日本人将兵だけでなく、旧日本軍の軍人、軍属として従軍した朝鮮半島出身者も含まれ、その数は一万人を超えていたといわれます。

 韓国の抑留体験者で組織する「シベリア朔風会」の李炳柱会長(78)、李在燮副会長(77)、鄭元九理事(75)の三人の原告が訪日し、記者会見。

 李会長は「シベリアで九死に一生を得て帰ってきました。労働賃金は、血と汗と涙とうらみがからんだ、生き地獄で稼いだ貴重な債権。裁判は私たちが選んだ最後の手段です」とのべ、支援を訴えました。

 会見に同席した全国抑留者補償協議会(全抑協)の下屋敷之義副会長は「韓国の朔風会と全抑協が連帯して、必ず勝利したい」とのべました。


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